先週の中国株ですが、上海総合指数と香港ハンセン指数は大幅続伸、深セン総合指数は反発、創業版指数は続落となりました。先週は上海総合指数と香港ハンセン指数にとって、チャート的には抵抗線を大きな出来高で上に突き抜けた重要な週であったと思います。中国本土の株式市場は全体的に、大型株が割安感から買われ、小型株が上昇率鈍化懸念から売られています。週初は特に材料が無く軟調でした。しかし、7月21日(月)に中国政府が新エネルギー車の普及と充電設備の建設を促進するガイドラインを発表したことから自動車関連株が買われ、22日(火)に大きく反発となりました。

そして24日(木)にHSBCが発表した7月の中国製造業景況感指数の速報値が52.0と、6月実績50.7、市場平均予想51.0を超えて1年半ぶりの高水準となったことで中国経済のスローダウン懸念が払拭され、割安感の強い銀行株や石油株に大きな買いが入り、相場を牽引しました。さらに24日(木)は中国人民銀行が公開市場操作を見送り、実質的に資金供給を行ったことも好材料でした。25日(金)は特に大きな材料は出なかったものの幅広い銘柄に買いが入り、終日高い水準での株価推移となりました。

香港株も本土株と同じような基調となりましたが、22日(火)は中国政府の住宅都市農村建設相が住宅の在庫減少が優先事項であると述べたことが好感され、中国本土の大手不動産株や銀行株が買われ、相場を牽引しました。前述のように、上海総合指数と香港ハンセン指数は先週の上昇で抵抗線を上抜けて、更に上を目指せる展開になったと思います。もっとも短期的には、そろそろ一旦調整が必要な加熱水準となってきました。しかし、軽く調整が入り、過熱感を一旦冷ませば、その後は再び上昇トレンドに乗って行くことが可能と思います。今週は8月1日(金)に7月の中国公式製造業景況感指数(6月実績51.0、市場平均予想51.4)とHSBCが発表する7月の中国製造業景況感指数(6月実績52.0、市場平均予想51.9)、8月3日(日)に7月の中国公式非製造業景況感指数(6月実績55.0)が発表される予定で、相場に大きな影響を与えると見られるため、注目です。

コラム執筆:戸松信博