昨日、マネックス証券として初の試みとなる「マネックス全国投資セミナー in 東京」を開催しました。平日夜にもかかわらず多くの方にご来場いただき、投資への関心と熱量を改めて実感しました。中には、先週のマネックスグループ定時株主総会にも来てくださった方もいて、「あ、4日ぶりですね!」といった会話も。形式張らない、ちょっとした再会のような、あたたかな時間でした。
セミナーの空き時間、今回は「講師控室」ではなく「スタッフ控室」にお邪魔しました。社員たちと交わした他愛のない会話が、私にとっては思いがけない『学び』の時間に。最近の推しを聞いたところ、「Threadsにハマってまして」とある社員。ポジティブな空気感やテンポの良さ、仲間との程よい距離感がちょうど良いのだとか。
一方で「これ以上SNSは増やせない。Instagramで手一杯」と話す社員も。それを受けて「SNSは1日45分、スクリーンタイムは2時間まで」と制限をかけている社員もいました。そこからスクリーンタイム、スマホの配置や通知設定、「画面との距離」機能の話へ。まるで誰かの家に上がり込んだような感覚になり、スマホはもはや「道具」ではなく「生活環境」だと実感しました。
他愛ない雑談。でも私にとっては必要なサプリです。「人の話を聞く」ことは、実は難しい。正面から受け止めるときもあれば、意識的に聞き流した方がいい場面もある。それでも、「きちんと聞き、適切に反応し、行動につなげる」のは大きなエネルギーを要します。良いリーダーの資質のひとつは「良い聞き手」であると言います。話すより、聞く方がずっと難しく、そして奥深くて尊い。そう思いながら、自分に問い直す日々。昨日の雑談は、「聞くことの楽しさ」が詰まっていて、頭を癒す時間にもなりました。
社員のスマホ談義を通じて、現代人がどれほど「画面」に囲まれて生きているかを改めて感じました。通知やレイアウトのちょっとした違いで、心の落ち着きや集中が左右される。だからこそ、金融サービスも、こうしたデジタル環境に過剰に干渉するのではなく、むしろ「生活リズムを整える存在」でありたい。時間を奪うのではなく、すばやく目的に辿り着ける、心地よいプロダクトを目指したいと改めて思いました。
ちなみに、どうでもいい話を最後にひとつ。iPhoneには「1日の持ち上げ回数」が記録されているのをご存じでしょうか? 昨日その話題で盛り上がり、5人で見比べてみたら、私がダントツ1位(笑)。この会話をきっかけに、スマホ環境を見直そうと思いました。持ち上げるたびに、何かを探している自分がいる。それなら、もっと「意味のある持ち上げ方」をしたい。スマホに向かう姿勢は、そのまま人の話に向き合う姿勢にもつながっているのかもしれません。
- 清明 祐子
- マネックスグループ 代表執行役社長CEO/マネックス証券株式会社 取締役社長執行役員
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2001年4月株式会社三和銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)入行、2006年12月に株式会社MKSパートナーズに転じ、2009年2月にマネックス・ハンブレクト株式会社(2017年マネックス証券と統合)入社。2011年6月マネックス・ハンブレクト株式会社代表取締役社長を経て、2013年3月 マネックスグループ執行役員、2016年6月グループ執行役、2019年4月マネックス証券株式会社代表取締役社長に就任。2020年1月グループ代表執行役COO、2021年1月グループ代表執行役COO兼CFOに就任。2021年6月グループ取締役就任、2022年4月グループ取締役兼代表執行役 Co-CEO兼CFO就任、2023年6月より取締役兼代表執行役社長CEO(現任)。2024年1月マネックス証券取締役社長執行役員。