漢字は表意文字ですので、通常はその字を見るだけで意味が分かり、それを元にイメージを浮かべることができます。但し中にはその読み方によって意味が違ってくるものもあります。常々その最たる例だなと思っているのが「人間至る所青山あり」という漢詩です。
これは「ニンゲン至る所アオヤマあり」と読むと、みんながアオヤマのスーツを着ているみたいですが、正しくは「ジンカン至る所セイザンあり」と読みます。ジンカンは世間の意味。セイザンは古代にお墓として使ったちょっとこんもりとした丘というか林を言います。死に場所はどこにでもあると言った意味でしょうか。イメージできる映像が全然違いますね。視覚と聴覚と記憶の関係というのは、何とも複雑な気がします。