日本に独特のものはもちろん一杯ありますが、商品見本はその最たるものの一つだと思います。ジュースや煙草の自動販売機にも本物と同様のパッケージが入っていますが、例えばアメリカではシールが貼ってあるだけです。ラーメンやお寿司のろう細工ともなると、これは恐らく日本以外ではあり得ないような気がします。日本の人は、実際のモノを見たり触ってから買うという性向と言うか文化があるのでしょう。日本におけるE・コマースの発展の障害となり得るものはいくつかありますが、この問題は日本独特の問題のような気がするので、我々が独自に乗り越えなければならないでしょう。誰か名案を編み出すと、面白いビジネス・チャンスがあるかも知れませんね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。