我が国の債務の格付けを、ムーディーズ社が最上格のAaaから、一段下のAa1に引き下げたのは2年ぐらい前のことだったでしょうか。当時、「世界最大の債権国がどうして最上格でなくなるのか」などの議論が活発にされましたが、本日、ムーディーズがこの格付けの再引き下げを検討する旨を発表しました。
その発表を受けて、国債は売られ(金利は上昇)、円も売られました。発表に対する市場の反応は教科書通りと言えますが、それではさてムーディーズの考えていることはどれだけ正当なものでしょうか?財政赤字の肥大化が主な原因だと言われています。格付けが下がるべきかどうかは別にしても、現状のような「両建て」が続く限り(例えば1300兆円の個人金融資産といわれながら、実は一方数百兆円の債務も存在します)、プライシングとしてある程度国債も円も弱く見積もられても当然だと思います。