世界的に見ても極めて大型、かつ頻繁な債券の発行体である世界銀行が、今回インターネット上で30億円の資金調達を行ないました。これはただ単にネット上で注文を受付けるだけでなく、起債内容の説明から、起債後の流通市場におけるトレーディングまで、全てネット上でも行なうという初めての完全な形での「ネット起債」でした。興味深いのは、個人投資家の参加が通常に比べて多かったのは言うまでもありませんが、北米、ヨーロッパ、アジアとで、ネット注文の利用率が大きく違うことです。通常の形での注文も含めた全体に占めるネット注文の比率が、それぞれ82%、47%、1%でした。インターネットは利用して初めて価値があります。いまどきの機関投資家でインターネットに接続されていない会社があるとは思えませんから、各国におけるインターネットを利用しようという意識の違いが表われていると思います。まだまだ道のりは遠いのでしょうか。