昨晩ある大学教授の先生と食事をしたのですがとても興味深い話をお聞きしました。世界中の先物取引の発祥は、江戸時代中期、我が国堂島の米の先物市場であったということは現在に於ける通説ですが、驚くべきことにその堂島で付いた値段で、翌日には博多でも市場が開かれていたというのです。毎日飛脚を飛ばしたのかと考えましたが、駅伝の選手でも1時間で20キロぐらいですから、午後に付いた値段を毎日翌朝までに博多まで走って知らせに行くのはどうも無理そうです。第一かなりコストがかかるでしょう。
馬なら尚更高そうです。答えは、なんと、のろしを炊いて連繋していたそうです。これって、一種の光通信ですね。しかも速くて安い。300年前には金融でも通信でも世界の最先端を行っていた日本。ここはひとつ踏ん張って頑張りたいものですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。