靴には左右の区別があり、履き違えると当然すぐに分かります。でも子どもが大人の靴を左右履き違えても、左右の逆には気付きません。明らかに違うものであっても、ものさしのサイズが違うと、その差を計ることができない訳です。足が大きくなって(理屈で言うと靴が縮んでも構いませんが)、初めて左右の違いに気付いたり、或いは爪先に穴が開いていることに気付いたりします。企業の価値についても同じことが言えるでしょうか。企業の価値は、簡単に言えば純資産価値と、将来にわたる期待収益を現在価値に割引いたものの和になるでしょう。期待が大き過ぎると、大き過ぎる靴のように、計測不可能になってしまう気がします。ちゃんと足にあった靴を選びたいですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。