【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,268.94  ▼120.66 (11/19)
NASDAQ: 18,987.47  △195.66 (11/19)

1.概況

本日の米国市場は、前日に続きまちまちの結果となりました。146ドル安で取引を開始したダウ平均は、ウクライナとロシアをめぐる地政学リスクの高まりが重石となり上値の重い展開となりました。ロシア側が核兵器による反撃可能性を示したことで投資家のリスク回避姿勢が高まるも、長期金利の低下等からハイテク株が買われ下げ幅を縮小しました。中ごろに本日の高値である8ドル安の43,380ドルまで持ち直すも、戻し切れないと下げ幅を広げ120ドル安の43,268ドルで取引を終えました。一方で、S&P500株価指数は23ポイント高の5,916ポイント、ナスダック総合指数も195ポイント高の18,987ポイントをつけ、2指数は揃って続伸となりました。

2.経済指標等

10月の米国住宅着工件数は、市場予想の134.2万件を下回る131.1万件となりました。ハリケーンの影響により、3ヶ月ぶりの低水準となりました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち6業種が上昇しました。ハイテク株が上昇に寄与し、情報技術が1%超で上昇トップとなり、またコミュニケーション・サービスが1%程度上昇しています。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中12銘柄が上昇となりました。第3四半期決算発表を控えるエヌビディア[NVDA]が4%超上昇し、ダウ構成銘柄では上昇トップとなりました。決算発表で通期見通しを引き上げたウォルマート[WMT]が3%の上昇、他にもアマゾン・ドットコム[AMZN]、ボーイング[BA]、コカ・コーラ[KO]、アイビーエム[IBM]が1%以上の上昇となりました。一方で、下落トップはユナイテッドヘルス・グループ[UNH]で2%以上下落となりました。スリーエム[MMM]やナイキ[NKE]、トラベラーズ[TRV]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、ゴールドマン・サックス[GS]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、ナスダック上場維持のための計画を提出し、上場廃止のリスクが後退したスーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]が31%の大幅上昇となりました。ネットフリックス[NFLX]は、マイク・タイソン氏のボクシング試合の生配信における視聴者数が1億人強となったと発表し2%以上上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は前日比0.01%低い4.40%となりました。ドル円は154円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、ハイテク株高の流れを汲むも地政学リスクが意識され反落で始まりそうです。一方で、明日21日の明け方頃に予定されるエヌビディアの決算を前に積極的な買いは控えられると考えられ、前日終値である38,414円を挟んだ展開が予想されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)