正確には天皇誕生日スペシャルですが、まぁいいでしょう。一年前のことを思い出してマネックス秘話を少々つぶやきたいと思います。

去年の今頃は、まだマネックスが生まれる前です。ソニーの出井社長に初めてお目にかかってお話ししたのが11月の始めで、まだほんの2、3回しかソニーの方とも会っていませんでした。マネックスという名前も、それこそ私の頭の中でさえまだ仮称でした。最初はマネーとネットをかけてマネットもいいかなと思ったのですが、ある証券会社がサービス名として既に登録していたので、取り敢えず仮称としてマネックスを使い始めた頃です。何のために仮称が必要だったかというと、一人では何もできませんから最初に一緒に立ち上げる同士を誘わなければなりませんでした。その際にマネックスとは何かを説明するためにまず名前が必要だった訳です。慣れないパワーポイントを使って全部で15ページのプレゼンテーションを作りました。

今そのファイルを見てみると、表紙にはただMONEXとだけあって、私の名前と12月15日の日付が書かれています。セーブされた日付が12月26日なのでこの10日間の間に何人かに見せたのでしょう。文字数の少ない、簡単なプレゼンですが、目標、背景、事業内容、如何に実現するかなどが極めて簡潔明瞭に書かれています。

最後の方のページにマネックスのガバナンスについてのページが1枚あります。言わばマネックスの経営運営上の理念です。そこには「MONEXの理念の実現の最高性」と書かれています。組織が出来てくると、或いは実際に営業を始めると、いろいろと理想と現実の間のギャップが生まれてきて、情実に依った組織作りをしたり、周りの流れに流されたり、大きな、強いものに降参したり、そのようなことが起こりやすいであろうと考え、あくまでも
マネックスの理念の実現のために働こう、そう考え、その考えに賛同できる人を探していました。今でもその気持ちに変わりはありません。

2000年の日本は、特に金融やネットの分野は、大きな変動の時期を迎えるでしょう。マネックスはあくまでもマネックスらしく、しかし一人よがりにならないように皆様の総意を反映しながら、その大変動期の中を歩んで行きたいと思います。