東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、4日ぶりに反発となりました。寄り付きは前日の米国株式市場にて、主要指数が大幅下落したことを背景に、300円安の37,804円と続落で始まった日経平均ですが、売り一巡後は買いが優勢となりました。

前場は、38,000円を切る水準で始まるも、半導体関連銘柄を中心に早々に切り返し、10時ごろには215円高の38,320円まで上昇しました。その後はもみ合いの展開となり、段々と上げ幅を縮小、49円高の38,154円で前引けとなりました。

後場に入ると、軟調に推移し再び前日の終値である38,104円を割り込む場面が見られました。しかし38,000円に近付くと買いが入り、底堅い動きとなりました。最終的には、38円高の38,143円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日続落、0.8%安となりました。

2.個別銘柄等

ニデック(6594)は、前日比142円(5.0%)高の2,984.5円をつけ、3日ぶりに大幅反発となりました。23日の2025年3月期の中間決算にて、営業利益が前年同期比5%増の1,210億円であり、前期に引き続き4~9月期では過去最高益を更新したことを発表しました。一方で、円高による為替差損を計上し、純利益は前年同期比28.5%減の755億円となったことは、株価を下押しする要因となるも、営業利益は市場コンセンサスを6%上回る内容で、本業の業績は堅調に推移していることが評価されました。

バンダイナムコホールディングス(7832)は、前日比、一時143円(4.6%)高の3,237円をつけ、4日ぶりに反発となりました。今期の業績修正を発表し、中間期において増収増益の見込みであることが好感されました。通期の業績も上方修正し、営業利益は市場コンセンサスを166億円上回る、1,600億円(前期比76.4%増)が見込まれています。

カナデビア(7004)が前日比35円(3.5%)高の1,024円をつけ、3日ぶりに反発となりました。2019年より続いていた保険金請求権確認訴訟の和解に伴う特別利益を計上することが明らかとなりました。これにより通期の当期利益が20億円増の180億円となる見込みであることを発表し、株価はポジティブな反応を見せました。

ヘアケアの「YOLU」や「BOTANIST」を手掛けるI-ne(4933)が前日比329円(20.0%)高の1,971円をつけ、3日ぶりに大幅反発となりました。オンライン販売を強みとする株式会社トゥヴェールを完全子会社化、並びに中間マージンの削減を意図し、I-neが製造・供給委託する株式会社東亜産業の子会社の一部株式を取得することを発表しました。市場では2社の買収によって、シナジーが期待されたことから大幅高となる買いが集まりました。

大手コネクタメーカーの日本航空電子工業(6807)は、前日比151円(5.9%)高の2,704円を付け、大幅続伸となりました。23日に今期の中間決算を発表し、営業利益は前年同期比36.1%増の92億円と大幅増益となったことが好感されました。注力分野と位置付ける、航空・宇宙向け事業は、政府の防衛予算増加を背景に需要が拡大し、同事業の売上は前年上期比194%増と大幅に増加しました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、小幅に反発となりました。選挙前の政治リスクは依然として意識されるも業績発表した個別銘柄の物色が続いている印象です。

明日に向けて、日本は大引け後にキヤノン(7751)の第3四半期決算が予定されています。営業利益の市場コンセンサスは前年同期比9.6%増となる2,842億円とされています。この水準を目安にサプライズがあるかに注目が集まります。

経済指標では、21時30分ごろ米国労働省が先週の新規失業保険申請件数を発表します。前週からほぼ横ばいの24万件が予想され、米国の雇用動向にも注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)