【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,740.42  ▼324.80 (10/15)
NASDAQ: 18,315.59  ▼187.10 (10/15)

1.概況

米国株式市場では、主要株価3指数が揃って3日ぶりに反落しました。ダウ平均は銀行の好決算等を受けて174ドル高でスタートしましたが、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が四半期決算発表後に一時10%安を記録したほか、半導体セクターの下落も重なり、ダウは下落に転じました。半導体セクターの下落要因としては、ダウ平均構成銘柄ではないものの、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング[ASML]の決算が失望され16%の下落となったことや、バイデン政権がエヌビディア[NVDA]やアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]などの米半導体メーカーが製造するAI向け先端半導体の国別輸出規制を検討していると報じられたことが嫌気され、広範な半導体関連株の売りにつながりました。ダウ平均は連日の最高値更新による短期的な過熱感も意識されやすく利益確定売りが出やすい展開となりました。終盤にかけて下げ幅が拡大し、最終的にダウ平均は324ドル安の42,740ドルで取引を終えました。S&P500株価指数も44ポイント安の5,815ポイント、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も187ポイント安の18,315ポイントで取引を終えました。

2.経済指標等

10月のニューヨーク連銀製造業景気指数は、市場予想の3.4に対し、結果は-11.9となり、前回結果の11.5から大きく低下しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や生活必需品、公益など5業種が上げ、なかでも不動産は1%以上上昇しました。一方、エネルギーや情報技術、ヘルスケアなど6業種が下げ、エネルギーは3%超下落したほか、情報技術とヘルスケアは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、15銘柄が上昇し、ボーイング[BA]が2%以上上昇したほか、ウォルマート[WMT]、メルク[MRK]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も1.5%以上の上昇となっています。一方、14銘柄が下落し、特にユナイテッドヘルス・グループ[UNH]は8%以上の大幅な下落となりました。ユナイテッドヘルス・グループは取引時間前に発表した第3四半期決算で、売上高が予想を上回ったものの、保険料収入に対する保険給付率の上昇や、来期以降の1株利益予想が市場予想を下回ったことが嫌気され、売りが優勢となりました。その他、インテル[INTC]が3%超、シェブロン[CVX]が2.5%超下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、米政府がAI向けの国産先端半導体の国別輸出規制を検討しているとの報道を受け、エヌビディアが4.7%下落し、アドバンスト・マイクロ・デバイシズも5.2%下落しました。一方、チャールズ・シュワブ[SCHW]は、第3四半期の利益が市場予想を上回り、顧客資産が前年比27%増の9兆9,200億ドルと過去最高を記録したことを受けて、株価が6.1%上昇しました。また、小売薬局チェーンのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]は、四半期利益が市場予想を上回り、2025年の見通しも好調であったことに加え、1,200店舗の閉鎖を含む3カ年計画を発表したことが好感され、株価は15.8%上昇しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い4.03%となりました。ドル円は、149円前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株安を受けて、半導体関連株を中心に下落してのスタートが予想されます。そうしたなか、日経平均は節目の39,000円を維持できるかどうかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)