10月1日の記者会見で石破新総理が強調した点は、オタクともいわれる防衛かと思いきや、地方創生関係でした。質疑も含めた記者会見の全文で、「防衛」と「安全保障」というワードが出た回数は合わせて16回。これを大きく上回るパワーワードが「経済」と「地方」で、それぞれ19回ずつ登場しています。選挙前の配慮もあるでしょうが、近年の他の総理大臣指名会見と比べても、「地方」の登場回数は石破氏がダントツでした。

それもそのはず、石破氏は地方創生担当の初代大臣でもありました。会見では、産官学連携での地方活性化や、適切な交付金、行政の東京一極集中是正等について高い熱量で話していました。

私は、地方出張に行くたびに帰りたくなくなり、その地での生活を妄想するタイプです。先日も、兵庫県の養父市という人口減少都市に行き、素晴らしい自然を前に妄想が止まりませんでした。ところが、帰りの電車が止まり、なすすべもなく立ち往生。リモートワークが発達したとはいえ、仕事の縛りもまだ厳しく、車がないと移動も難しい地方生活のハードルは高いものです。

それでも、東京のタワマン林立をみるにつけ、このまま大都市のみが拡大していく姿はサステナブルではない気がします。そこで政府ができることは、基本的には、ダウンサイドリスクの補填か、入り口の呼び水。そこから先は民間のマネーに委ねられるものだと思います。

投資の世界では、今後、地方創生関連や地方の金融機関に注目が集まるでしょう。それ以外にも、未上場地方企業への投融資やクラファン等、地方へのマネーの流れを改善する仕組みにはまだまだ発展の余地があると思います。地方の成長と投資家のリターンの好循環が築けることが次世代の「地方創生2.0」では、と思います。