大学を卒業して最初に就職したソロモン・ブラザーズの同期の末永徹氏が、当時のソロモンでの出来事を綴った「メイク・マネー」という本を文藝春秋社より出版しました。
主に当時のソロモン・ブラザーズ(東京)でのトレーダーの生活を書いたものです。恥ずかしながら私も所々登場します(O君として)。その中で株式の価値の見方として興味深い引用があったのでご紹介します。
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株式投資で財をなした経済学者ケインズは、相場は美人投票の結果を当てるゲームだから、自分が美人と思う株ではなく、皆が美人と思うであろう株を買わなければならない、と説いている。
もっとも、世界最高の投資家ウォレン・バフェットは、そういう考え方をしない。株価は、企業の価値であり、その株価で企業を買収してもよいと思うのでなければ、たとえ一株でも買うのはおかしい、と彼は主張する。(中略)ところで、ジョージ・ソロスの考え方は、バフェットとケインズの中間あたりであろうか。ソロスは、いわば、美人投票で、げてもの人気が異常に高まったところを見計らって、正統派美人に投票するのである。イギリス通貨当局は、確信的なげてもの好きとなってソロスに大金を貢いだのだ。
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この本はあくまでも「トレーディング」についての本であり、マネックスが皆さんに御紹介して行こうと考えている投資とか運用についての本ではありませんが、御興味のある方はどうぞ。