2024年8月19日(月)8:50発表
日本 機械受注統計調査 2024年6月

【1】結果:コア機械受注は前月比2.1%で反転、基調判断は変わらず「足踏み」

【図表1】2024年6月の機械受注統計の結果
出所:内閣府よりマネックス証券作成

2024年6月の機械受注は、受注総額ベースで前月比マイナス6%の3兆531億円という結果になりました。一方で前年比ベースでは、16.1%増と今年に入って受注総額の水準が切り上がっている様子がうかがえます(図表1、2)。

【図表2】機械受注総額の推移(単位:兆円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

変動の大きいコア機械受注(船舶・電力を除いた民需)は、前月比2.1%増と2ヶ月ぶりに反転しました。コア機械受注は、非製造業の受注が反転に寄与しました。一方で、3ヶ月移動平均線から読み取られるトレンドは縮小傾向であり、内閣府から発表される機械受注の基調判断は前回から変わらず、「持ち直しの動きに足踏みがみられる」とされました(図表3)。

【図表3】コア機械受注総額の推移(単位:兆円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:製造業は横ばい、非製造業は不動産や小売が増加

業態別での受注動向を確認すると、製造業は前月比0.3%減で小幅に縮小し、4-6月期の受注額は横ばいで推移していることがわかります。6月の受注の内容は、17業種中9業種が増加、8業種が減少と業種間でまちまちの内容でした。造船業や業務用機械が増加を牽引する一方で、非鉄金属やパルプ紙類が減少という結果です。一方で、4-6月の四半期ベースでみると、非鉄金属やパルプ紙類も上昇しており、過半数である11業種が増加し前期比2.8%となりました。

非製造業は船舶・電力除くコアベースで反転し前月比2.4%増でした。前回5月の7.5%減という結果から持ち直し、不動産業や小売・卸売業の受注額が増加しています。四半期ベースでは、前期比3.7%減と減少しました。電力含めるヘッドラインの非製造業は前月比マイナス27.9%と縮小が目立つ結果となっています。これは4月(59.3%増)、5月(130.5%増)と増加が顕著であった電力業が、反動で62.3%減と落ち込んだことが主要因です。ヘッドラインの四半期受注額を確認すると、非製造業全体で前期比25.7%増と、やはり電力の4-5月が押し上げる格好となりました(図表4)。

【図表4】業態別機械受注総額の推移(単位:十億円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

【3】所感:7-9月は0.2%増の見込み、非製造業の押し上げに期待

2024年4-6月期、四半期ベースのコア機械受注は、前期比マイナス0.1%と小幅に減少し2023年10-12月期以来2四半期ぶりのマイナス成長となっています。7-9月の見通しは0.2%増が見込まれ、今回からの反転が予想されています。

コア機械受注の内訳をみると、1-3月期に好調であった非製造業(船舶・電力除く民需)が反動で4-6月は減少したことが主要因ですが、7-9月の見通しでは1.1%増と再び増加していくことが見込まれています。

非製造業の設備投資計画を確認すると、直近の短観ベースで2024年度は3.5%で、2023年の同時期6月の9.9%増と比較すると見劣りする水準です。非製造業はサービス業も多く、省力化投資等が期待されることもあって、設備投資計画も上昇していくことに期待します(図表5)。

【図表5】日銀短観 全産業設備投資計画修正の推移(前年比、%)
出所:日本銀行よりマネックス証券作成

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太