東京都知事選が終わりましたが、SNSを見ていると、選挙後の方がある意味で盛り上がっているように感じます。選挙は単なる一時的な出来事ではなく、社会の変化の兆しを捉える機会でもあります。今回の選挙も、政治の新しい形や新しい関わり方が生まれていることを示しているように感じました。「適者生存の法則」を念頭に置くと、時代の変化に応じた対応がますます重要になってきているのではないでしょうか。
盛り上がりといえば、新型コロナの収束やインバウンド観光客の戻りにより、渋谷の夜は再び大賑わいです。毎朝、路上飲食のゴミが散乱し、カラスがたかっているそうです。そうした中で、本年10月から、渋谷区において、「路上飲酒禁止条例」が施行されることになりました。午後6時から翌朝5時までの間、路上での飲酒が禁止されるようです。しかしこの条例、罰則が設けられていません。
この条例に罰則がない理由の一つには、日本において、「路上飲酒禁止」の法律が存在しないことが関係していると思われます。法律がないなら、地方自治体が独自に条例を制定したら良いのに、とも思うのですが、議会での承認を得るのが大変なのかもしれません。また、罰則の運用には人的リソースも要するため、やはり簡単ではないのでしょう。あるいは、法律がない中で新たに制度を設けることが、自由な権利の制限につながるのではないかという懸念もあったのでしょうか。
この条例の件や、選挙の在り方が変わってきていることなどを踏まえると、時代の変化に応じたルール制定の方法を考える良い機会なのかもしれないと感じます。目的に応じて、柔軟で効果的なルールを作る社会を目指すことが求められています。しかし、最初から完璧な制度を作るのは難しく、試行錯誤の過程を経て、徐々に質を高めていく必要があります。渋谷区のこの条例も、まずは実効力を見極め、その後の改善を通じてより良いものにしていくべきなのでしょう。様々なことについて、試行錯誤を繰り返すことで、「質」が伴ってくると信じています。