東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続伸となりました。166円高の40,747円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で280円高の40,861円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと11時過ぎには23円高の40,604円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し86円高の40,666円で前場を終えました。

131円高の40,712円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げ大引け間際に390円高の40,971円まで上昇すると結局332円高の40,913円で取引を終え、史上最高値を更新しています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

非鉄金属相場の上昇を受けて非鉄株が高く、住友金属鉱山(5713)が一時8.0%高、三井金属鉱業(5706)が一時5.2%高、三菱マテリアル(5711)も一時4.7%高となり、三井金属鉱業は年初来高値を更新しています。

アパレル大手のワールド(3612)も一時14.7%高となり年初来高値を更新しました。電子商取引(EC)の売り上げが好調だったうえ、高級ブランドを中心に古着を取り扱う専門店「ラグタグ」の販売も伸びたことなどにより第1四半期のコア営業利益が前年同期比で17.3%増となり、上期予想に対する進捗率が84.9%となったことで業績の上振れを期待した買いが入りました。

また、目標株価の引き上げを受けて楽天グループ(4755)が一時3.2%高となり、投資判断と目標株価の引き上げを受けてサイゼリヤ(7581)も一時5.5%高となっています。

さらに東証グロース市場ではAI(人工知能)開発などを手掛けるPKSHA Technology(3993)が一時8.3%高となりました。東証プライム市場への区分変更申請に向けて準備を始めると発表したことで大幅高となりました。

一方で川崎重工業(7012)が一時8.5%安となりました。防衛省が潜水艦修理契約を巡り川崎重工業が取引先企業との架空取引で裏金を捻出し、潜水艦乗組員らの物品購入代や飲食代を負担していた疑いがあると発表したことで大幅安となりました。

本決算を発表したアスクル(2678)も一時9.4%安となり年初来安値を更新しました。商品の値上げなどによる採算改善により2025年5月期の営業利益が前期比で6.2%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は332円高となりました。9月の利下げ観測が強まり昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。朝方には3月22日に付けた史上最高値(40,888円)を前に伸び悩む場面もありましたが、後場に一段高になると高値を更新して取引を終えました。

また、こうしたなかでTOPIXも26ポイント高の2,898ポイントとなり、1989年12月19日に付けた史上最高値(2,884ポイント)を34年7ヶ月ぶりに更新しています。そのため先高感が一段と高まりそうで、明日は短期的な過熱感があるなかでどこまで水準を切り上げて週の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。

なお、今晩の米国市場は独立記念日の祝日で休場となります。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)