・6月17日週の米ドル/円はほぼ一本調子で上昇し、160円に迫る展開となった。日米10年債利回り差は縮小しているにもかかわらず円安が進むのは、投機筋の円売りが積み上がっているためだ。

・6月20日に米財務省が公表した外国為替報告書では「監視リスト」に日本が追加された。「リスト入りを受けて日本通貨当局は円安阻止をしにくくなったのでは」との思惑から円売り材料にもなったもようだ。しかし、米政府は、通貨安誘導ではない為替介入は容認する。現在の日本通貨当局による介入は円安阻止であり、米政府の疑義が挟まれる可能性は低い。

・仮に日本通貨当局が為替介入を止めたとしても、投機筋の円売りは「行き過ぎ」レベルに達している。円売りの継続もそろそろ限界に近付いているのではないか。

・円の総合力である「実質実効レート」は直近で過去最安値を更新した。過去に実質実効レートが循環的に上下する中で底値を打つのは、5年MA(移動平均線)を2割下回った時だ。足元では2割以上下回っており、円安が底を打つ可能性がある。