2024年6月17日(月)8:50発表
日本 機械受注統計調査2024年4月

【1】結果:4月機械受注総額は前月比マイナスも3兆円台をキープ

2024年4月の機械受注統計は、受注総額が3兆299億円と前月比マイナス3.6%の結果となりました。1月から3月にかけて受注額が大きく上昇していたこともあり、前月比でみると一旦ペースを落としています。一方で、前年比では14.4%増と高水準で推移しており、例年以上の受注額であることがわかります。

【図表1】2024年4月機械受注統計の結果
出所:内閣府よりマネックス証券作成
【図表2】機械受注統計総額の推移(単位:兆円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

変動の大きい、船舶・電力を除いたコア機械受注も前月比マイナス2.9%と縮小しました。Bloombergが集計する市場予想では、マイナス3%と予想されており概ね市場予想通りの結果となっています。受注総額と同様に、1-3月の受注額が好調であったことの反動でペースを落とした結果と言えるでしょう。

【図表3】コア機械受注総額の推移(2021年~、単位:十億円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:製造業が軟化するも非製造業が回復

機械受注統計は、設備投資に先行する指標とされる指標です。今回の4月の結果は、製造業の受注額は3ヶ月ぶりに前月比マイナスに転換しています。業種別では、8業種が上昇・9業種が減少とまちまちの結果でした。全体としてはマイナス転換でしたが、前月比での上昇品業種は、非鉄金属が139.3%増、食品製造業が107%増と大きく上昇していることが目立ちました。

非製造業は、3月の1.2%減から4月は18.1%とプラス転換しています。業種別では12業種中8業種が上昇・4業種が減少で過半数が上昇しています。中でも鉱業・採石業・砂利採取業が102.1%、電力業が59.3%と上昇を牽引しました。

【図表4】業態別機械受注総額の推移 (2022年3月~、単位:十億円)
出所:内閣府よりマネックス証券作成

【3】所感:7月に発表される日銀短観、設備投資計画の上方修正を期待

今四半期(2024年4-6月期)の見通しは、全体の受注総額では前四半期比マイナス0.1%減となることが見込まれています。コア機械受注でも、同マイナス1.6%で先月から変更なく、全体感としては今四半期の設備投資は足踏みといったことが予想されます。今四半期は前期の反動であることが主な要因ですが、来期以降の動向で、再び受注動向が上向いていくかが重要なポイントだと考えています。

7月には日銀短観が発表され、2024年度の設備投資見通しが確認できます。例年、3月時点の翌期設備投資計画は保守的なマインドが数字に表れますが、6月の公表値では上方修正されることが多い傾向が見て取れます(図表5)。設備投資計画が上方修正されれば、機械受注もそれに準じて増加すると予測でき、マクロ環境にはプラスの材料を与えるものとなります。

【図表5】日銀短観 全産業設備投資計画修正の推移(前年度比、%)
出所:日本銀行よりマネックス証券作成
※ 横軸は公表次点の月

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太