6月に入り、今年も3月決算企業の株主総会の季節がやってきました。そこで、個別株をお持ちの方々は、できるだけ株主総会に足を運んでみては、と強くお勧めします。会社の経営陣は大変偉い方々ですが、あくまで、株主の皆さんが主体=プリンシパルで、皆さんのお金を使って経営を行う役員たちは、皆さんの代理人=エージェントです。株主総会に行くのは、いわば、大切な子供たちを預けている学校の授業参観に行くような感覚だと思います。
貴重な機会ですから、できればCEOへの質問にもトライして欲しいです。
とはいえ、どんなことを質問すればいいのかは悩ましいですよね。身近な例を使って質問しようとすると、個別の商品やサービスへの苦言になりがち。それも重要ではありますが、せっかくトップと対峙できる機会ですから、より企業価値にかかわるような、中長期的なビジョンを聞いてみたいところです。業績説明のところで多少言及されるかもしれませんが、通常は3年間の中期経営計画について触れる程度かと思います。もっと具体的に、5年後、10年後、どんな会社にしたいのか、具体的なアクションとして明日から何をやるのか、リスクは何か…改めてCEOの言葉で説明していただいては、と思います。
どうせ事前に準備された回答が返ってくるだけでしょ、と思うかもしれません。しかしそれでも重要です。株主総会は、アナリスト説明会等とは違い、ほとんどの幹部社員が目にする、1年で最大の行事です。CEOに、会社の成長を改めて宣言していただくことで、これを聞くであろう社員全員の意識を高めることができるかもしれません。逆に、回答が物足りなければ、株式を売却することも選択肢だと思います。
多くの会社の総会に行く機会がある方なら、CEOの話を総合することで、今の日本の縮図がみられるという意味でも興味深いのではと思います。私も、将来引退した暁には、株主総会でいろいろなお話を聞きまわるのをこの時期の趣味にしたいと思っています。