75日と5日移動平均線のデッドクロスが発生

前回のコラムでは、下向きに変化した5日移動平均線に押し返された状態が続くか、また75日移動平均線がサポートになるか、について解説しましたが、下向きの5日移動平均線に押し返された状態が続き、ついに75日移動平均線も下回る結果となってしまいした。

また、上向きの75日移動平均線を下回ったままの状態が続いていることから、5日移動平均線が75日移動平均線を下回るデッドクロスが発生しているのが分かります。さらに、4月23日には下向きの5日移動平均線を上回って始まりましたが、値を保つことができずに5日移動平均線を割り込んで終えており、上値の重たさが目立っています。

そこで今後は、下向きの5日移動平均線上を回復するとともに、早期に75日移動平均線上を回復して維持できるかが注目ポイントになると思われます。

仮に5日移動平均線上を回復して維持するようですと、5日移動平均線が上向きに変化するとともにサポートになって、株価が75日移動平均線上を回復することが考えられます。

また、株価が75日移動平均線上を回復することができれば、5日移動平均線が上向きに変化して75日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生することが考えられ、反発期待が高まりそうです。

一方で、5日移動平均線が引き続き上値の抵抗になって押し返される状態が続いたり、75日移動平均線上を回復しても維持できなかったりするようですと、4月19日につけた取引時間中の安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられるため注意が必要です。

【図表】日経平均株価(日足) 
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの低下が続いた場合は注意が必要

そのような中、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見るとどうでしょうか。モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が緩やかに低下しているのが分かります。

また、4月5日につけた直近の低い水準をわずかに下回っており、株価は小幅な反発が続いているものの、モメンタムとシグナルの低下が続いています。このような状況から、2本線が上向きに変化して上昇するかが今後の注目ポイントになります。

仮に2本線が上向きに変化して水準を切り上げたり、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回って維持したりするようですと、5日移動平均線上を回復して75日移動平均線を上回ることが視野に入ります。

その反面、モメンタムとシグナルが上昇しても限定的だったり、0ラインを上回ることができなかったりするようですと、75日移動平均線上を回復しても維持できないことが考えられるため、モメンタムの向きと水準にも注意し、売買判断に役立てたいところです。