約34年ぶりの円安/米ドル高水準

米ドル/円相場は1ドル=154円台と新ゾーンに入ってきました。新ゾーンといっても日経平均株価とは違って過去になかった水準ではないですが、約34年ぶりの水準ということで「新ゾーン」という表現を使っても違和感はないでしょう。

2024年に入ってからの円安方向への動きは、2023年12月に140円処で下げ止まったことが大きかったと思われます。この140円処のフシは、過去の値動きから判断できる3つの線が交差するクロスポイントだったのです。そのクロスポイントからの戻りが大きいほど相場反転の確度が大きくなります。その3つの線とは、1月23日付けのコラム「米ドル/円の半値戻しで全値ブレイクの可能性も」で解説しています。

次の上値メドを考察する重要な水準とは

さて、当面の考えられる上値メドですが、まずは2022年10月高値の151.94円と2023年11月高値の151.92円が重要な基準となります。これらは2015年6月高値から2016年6月安値までの倍返しである152.68円と、2011年10月安値から2015年6月高値までの円安幅を2016年6月安値から上げたN計算値149.30円の仲値水準であったとみています。

この2つの同水準の意味のある高値水準を起点に、次の重要なメド値を考察する必要があります。それは、2023年11月高値からの円高幅に対する倍返しの163.60円処です。2022年10月高値からの円高幅に対する倍返しの176.67円処となります。

特にこの176.67円処という水準は、2011年10月安値1ドル=75.55円を起点とした、長期N字上昇波動の最終目標であるE計算値にも相当する重要な水準です。

このE計算値とは一目均衡表の均衡点(目標値)のメド値になるもので、その他にN計算値やV計算値、NT計算値があります。E計算値は4つの計算値の中で最も高く算出される計算方法であり、2011年10月安値から2015年6月高値までの円安幅を、2015年6月高値からさらに円安方向に当てはめた176.15円処がE計算値となります。