史上最高値を更新した日経平均、連動する個別株はどうなっているのか?

日経平均が1989年のバブル時代の史上最高値を更新したからといって、個別株も同じスピードで底上げが実現しているかというと決してそうではありません。そこで、日経平均に採用されている個別株に限り、1980年代から辿ってきた株価推移を元に、今後の優位性について考えてみました。

今回はバブル時代の1989年当時に採用されていて、今も継続して採用されている個別株に焦点を当てました。まずは、当時から「銘柄コード」や「商号」が変わっていない個別株が比較的多く入っている業界(業種)を採り上げ、個別株の優位性について相対比較をしてみました。採り上げたのは、ゼネコン(4銘柄)、繊維メーカー(4銘柄)、自動車メーカー(5銘柄)です。

ゼネコン、繊維、自動車業界の株価推移から考える銘柄動向

ゼネコン4社は、大成建設(1801)、大林組(1802)、清水建設(1803)、鹿島建設(1812)です。1980年代からの長期波動の値動きは概ね同じですが、4社ともバブル時の高値は依然として超えていません。

一方で、現時点で2017年の高値を超えているか、超えてないかで、区分けすることができます。超えているのは鹿島建設と大林組です。2017年の高値を超えているということは、2008年の世界金融危機が発生した直後の安値を起点とした中期波動が上向きであることを確認した状況にあり、超えていない大成建設、清水建設よりも業界内では優位性があると言えそうです。

次は繊維業界です。帝人(3401)、東レ(3402)、クラレ(3405)、旭化成(3407)が昔も今も変わらずに採用されています。1番大きな違いは、帝人だけがバブル時の高値を一度も超えていないことで、いまだに他の3銘柄から大きくアンダーパフォームしています。

その中で、私が注目はしたのは旭化成です。クラレは長期的に有望な値動きにみえますが、2023年の上昇が相対的に大きく、その反動が続くでしょう。旭化成は2021年からの調整が一巡し、出直り始めているような雰囲気です。繊維メーカーではトップピックになってくるのではないかと思います。

最後は、トヨタ自動車(7203)本田技研工業(ホンダ)(7267)、日産自動車(7201)、マツダ(7261)、スズキ(7269)の自動車メーカーです。2007年前後と2015年前後の高値を超えているトヨタ、ホンダ、スズキが上昇波動を描いているのに対して、日産やマツダは1980年代と株価水準は大きく変わらず低迷です。上位3銘柄の中でもトヨタが圧勝しています。スズキとホンダに出遅れ感があり、伸びしろは相対的に期待できそうです。

ただ、スズキは2016年以降の振幅が大きく、その後処理(調整)に時間がかかりそうです。むしろ、スズキの振幅を横目に調整が進んだホンダの方がこれから実力を発揮してくる可能性が高いと思います。