先日、OTDワークショップなるものに参加しました。OTDとは、Organizational Transformation for Diversityの略です。特権に無自覚なマジョリティがもたらすアンコンシャスバイアスに気づくことで、組織の不均衡の可能性に向き合い、どうしたら組織として包摂的で公正な職場環境を築いていけるかを考えようというワークショップです。

マネックスグループにとって多様性はコアバリューの一つであり、新たなビジネスアイデアや創造性・成長性を生み出す源泉と認識しているので、多様性への意識は比較的高く、多様性を尊重した組織づくりに努めているつもりですが、本ワークショップは目からうろこでした。

OTDワークショップのウェブサイトにも記載がある通り、本ワークショップでは、グループ対抗のゲームを通じて「マジョリティの無意識の前提」に気づき、多様な構成員を包摂する組織づくりにおいて鍵となる視点を体感できます。と言われても、へーという感じで、なんだかイメージが沸かないですよね。私自身、参加する前は、座学だと飽きるしゲームを取り入れているのかな、くらいに思っていました。しかし、結果として、とても実りあるものでした。今後、当社グループの社員にも受けてもらいたいワークショップですし、ネタバレになるので、詳細はここでは記載しませんが、私にとっての最大の学びは、「個人モデルに寄せずに、社会モデルで考えるべし」を、自分事でとらえることができたことでした。

「当たり前」はどこから見るかで異なっており、社会の作られ方で全く違う世界になる。公平だと思っていたけれど、実は、その公平な環境は、様々な不均衡・不公平の上に成り立っていることがある。置かれた環境を前提に成功や失敗を測ったり評価していたりしているが、個人の実力差よりも、環境差の方が結果に与える影響が大きい可能性がある。結果がうまくいっていない人たちの原因を個人に求めがちだが、社会(組織)の歪み・偏りの存在が背景にあるのではないか。OTDワークショップを通じて、これらのことを考えたわけですが、自分事として「組織変革のためのダイバーシティ」をとらえる本当に良い機会でした。組織の上に立つ者として、役職員の誰かが少しでも組織の歪み・偏り・不公正を感じたら、遠慮なく声を上げられる環境を作っていきたい、そして、誰もが新しい価値や発想を生み出せる環境を作っていこうと改めて思いました。