年末に咳風邪をひいてしまったこともあり、帰郷せず東京で過ごした正月。大きな地震があるとまず心配になるのが故郷福島で、実家の年老いた両親の顔が浮かぶのですが令和6年の正月を襲ったのは能登半島でした。
日に日に明らかになる甚大な被害に心が痛みますが、仕事で金沢を訪れタクシーを利用した際、運転手さんから石川県は地震が少ないので古い家屋が多く残っているというような話を聞いたのを思い出しました。これまで金沢は北米とユーラシアプレートの境界であるフォッサマグナから外れた場所に位置しているため巨大地震が起きにくいとされてきました。ところが2020年末ころから群発地震が起こるようになるのですが、これは日本海側とは反対側にある太平洋プレートが日本列島に向かって沈み込む過程で入り込んだ地下の流体(水)の上昇が関係していると推測されています。活断層近くが危険だという、これまでの常識とは異なるメカニズムでも巨大地震が起こり得るのだ、ということを認識させられることとなったわけです。平成28年の熊本地震も予想外でしたが、日本はどこにいても地震からは逃れられないようです。
東京も揺れましたが、福島も震度4と揺れが大きかったそうです。母との電話でこの正月、弟夫婦が福島の実家で過ごしたと聞いたのですが、家族総出で近くのショッピングモールに出かけた際に地震に襲われ、成人し今は東京で働く二人の姪っ子がそれぞれ母の両腕を取り、支えながら「おばあちゃん心配ないからね、大丈夫だからね。」と声をかけ続けてくれたそうです。足腰が弱った母がどんなに心強かったか、と思います。忙しい合間を縫って実家に顔を出してくれ続けている弟夫婦と二人の姪っ子に感謝するとともに、私もできるうちに親孝行をせねばと深く反省した年明けとなりました。
被災されました方々にお見舞い申し上げますとともに、一刻も早い復興を祈念しております。