【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,414.17 ▼250.91 (10/19)
NASDAQ: 13,186.18 ▼128.13 (10/19)
1.概況
米国市場はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を受けて長期金利が上昇したことから続落となりました。4ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に155ドル安まで下落した後切り返すと昼過ぎに187ドル高まで上昇しました。しかし、その後伸び悩むと上げ幅を縮めマイナスに転じ取引終盤に296ドル安まで下落し結局250ドル安の33,414ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も128ポイント安の13,186ポイントと3日続落となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万3000件減の19万8000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反し改善しました。また、9月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.0%減の396万戸となりましたが市場予想を上回りました。一方で10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス9と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。9月の米景気先行指標総合指数も前月比0.7%低下となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも不動産と一般消費財・サービスが2%を超える下落となり、金融と素材も1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が下げました。そのなかでもトラベラーズ[TRV]とキャタピラー[CAT]が2%を超える下落となっています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]とセールスフォース[CRM]が1%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外ではネットフリックス[NFLX]が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったほか、世界の契約者数が大きく伸びたこともあり16%余り上げています。AT&T[T]も決算で1株利益などが市場予想を上回ったことから6%を超える上昇となっています。また、半導体受託生産の台湾のTSMC[TSM]は決算が市場予想を上回ったうえ、10-12月期の売上高見通しも市場予想を上回ったことから3%以上上げています。テスラ[TSLA]は決算で売上高と1株利益が市場予想に届かなかったことなどから目標株価の引き下げが相次ぎ9%を上回る下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利はパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が参加した討議で米国のインフレ率が「依然として高すぎる」と述べたことなどから金融引き締めの長期化が意識され0.08%高い4.99%となりました。ドル円は149円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)