【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 35,459.29 △176.57 (7/28)
NASDAQ: 14,316.66 △266.55 (7/28)
1.概況
先週末の米国市場は米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが鈍化したことで利上げ継続への懸念が後退し反発しました。160ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に282ドル高まで上昇した後伸び悩むと午後に入り72ドル高まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局176ドル高の35,459ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も266ポイント高の14,316ポイントと3日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
6月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増となり市場予想を上回りました。一方で6月の米個人消費支出(PCE)物価指数で変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数は前年同月比4.1%上昇と5月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。6月の米個人所得も前月比0.3%増に止まり市場予想を下回りました。また、7月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も71.6と速報値から下方修正され市場予想を下回りました。4-6月期の米雇用コスト指数も前期比1.0%上昇に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、コミュニケーション・サービスが2%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも2%近く上げました。また、情報技術も1%以上上昇しています。一方で公益事業と不動産の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回ったインテル[INTC]が6%以上上げ上昇率トップとなったほか、同じく決算が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル[PG]も3%近く上げ、インテルに次ぐ上昇率となっています。また、マイクロソフト[MSFT]とボーイング[BA]も2%以上上げています。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が2%を超える下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、長期金利の低下を受けてハイテク株が高く、テスラ[TSLA]とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が4%を超える上昇となり、ネットフリックス[NFLX]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も3%余り上げました。半導体関連株も堅調で、なかでも半導体製造装置のKLA[KLAC]は決算で市場予想を上回る7-9月期の見通しを示したことで6%近く上昇しています。さらに他の半導体製造装置銘柄にも買いが波及し、アプライドマテリアル[AMAT]が4%近く上げ、ラムリサーチ[LRCX]も2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は米PCE物価指数の伸びが鈍化したことで0.05%低い3.95%となりました。ドル円は円安に振れ140円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の33,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の10時30分には7月の中国の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)