東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに大幅反落となりました。92円安の32,803円で寄り付いた日経平均は直後に35円安の32,861円まで持ち直しました。しかし、戻し切れないとその後は大きく下げ幅を広げる展開となりました。後場に入り大引け間際に433円安の32,462円まで下落すると結局405円安の32,490円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
日産(7201)が一時2.6%高となりました。北米の電気自動車(EV)の急速充電規格で米テスラ[TSLA]の「NACS」方式を2025年から採用すると発表したことで利便性の向上による販売増を期待した買いが優勢となりました。自動車アルミ部品大手のリョービ(5851)も一時7.9%高となり年初来高値を更新しました。エネルギーコストや原材料価格の上昇分を販売価格に転嫁し採算が改善したことで75億円とみていた通期の営業利益の見通しを105億円に上方修正したことから上げ幅を広げました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けてクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)やローソン(2651)が高く、クリエイト・レストランツ・ホールディングスが一時9.7%高となり年初来高値を更新し、ローソンも一時3.4%高となりました。さらに東証スタンダード市場ではプラネット(2391)が一時23.0%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。ユニ・チャーム(8113)やライオン(4912)など日用品メーカーと卸の合計10社が年内に運用を始める物流基盤システムにプラネットが開発したものが採用されたと伝わったことで買いを集めました。
一方で決算を発表したオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディング[ASML]が昨日の米国市場で大幅安となったことから日本市場でも半導体製造装置関連銘柄が売られました。レーザーテック(6920)が一時5.9%安、アドバンテスト(6857)が一時4.8%安、SCREENホールディングス(7735)も一時3.2%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は405円安となりました。昨日の米国市場が小幅な上昇に止まるなか昨日に大幅高となった反動が出て売りが優勢となり下げ幅を大きく広げました。前場は節目の32,500円を前に下げ渋りました。しかし、引けにかけて下げ幅を広げると32,500円を小幅に割り込んで取引を終えています。なお、引け後にはニデック(6594)やディスコ(6146)が決算を発表します。これにより3月決算企業の第1四半期決算発表がスタートしますが、こうしたなかで決算を支えに戻りを試すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や7月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には6月の米中古住宅販売件数や6月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。さらに20日の米国ではジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)