東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。65円高の32,457円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで323円高の32,714円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと後場寄り直後にマイナスに転じました。しかし、52円安の32,338円で下げ渋ると持ち直し結局102円高の32,493円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が小幅に上昇となっています。

2.個別銘柄等

ソニーグループ(6758)が一時2.7%高となりました。米アクティビジョン・ブリザードが開発した人気ゲーム「コール・オブ・デューティ」のソニーグループへの提供を米マイクロソフト[MSFT]がアクティビジョン・ブリザードの買収完了後も続けると発表したことで買いが優勢となりました。エーザイ(4523)も一時3.1%高となりました。米国で正式承認されたアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の点滴薬に加えて、自宅で患者が注射できる薬剤を新たに開発すると伝わったことを材料視した買いが入りました。眼鏡専門店のジンズホールディングス(3046)も一時17.3%高となりました。中国や台湾などの海外事業が大きく伸びていることや、費用抑制の効果もあり第3四半期の営業利益が前年同期比で33.4%増となったことから買いを集めました。靴専門店を展開するチヨダ(8185)も一時9.1%高となり年初来高値を更新しました。利益率が高い革靴や防水性能に優れたプライベートブランド(PB)商品の販売が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で3.7倍となったことから大幅高となりました。リゾートトラスト(4681)も一時3.3%高となりました。第1四半期において会員権販売やホテルの運営等が堅調に推移していることから180億円とみていた通期の営業利益を190億円に上方修正し、5年ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったことで買いが優勢となりました。

一方で本決算を発表したパソナグループ(2168)が一時5.8%安となりました。前期に投資有価証券売却益を計上した反動が出て2024年5月期の純利益が前期比で18.0%減となる見通しを示したことから大幅安となりました。ネット通販を手掛ける北の達人コーポレーション(2930)も一時13.8%安となり年初来安値を更新しました。自社サイトなどに顧客を誘導するための広告宣伝費がかさみ第1四半期の営業損益が赤字に転落したことから売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は102円高となりました。決算発表の本格化を前にハイテク株などに買いが入り昨日の米国市場が上昇したことから反発し、一時は320円以上上げる場面もありました。しかし、後場には小幅にマイナスとなるなど朝方の買い一巡後に伸び悩みました。そのため先週末に続いて上値の重さが意識されそうです。なお、日本時間の21時30分には6月の米小売売上高が発表されるほか、22時15分には6月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。また、18日の米国ではバンク・オブ・アメリカ[BAC]やモルガン・スタンレー[MS]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)