夏の食欲がない日にはそうめんがピッタリ。昨今オリーブオイルとレモンでそうめんを食すという新しい夏の楽しみ方が流行しているのですが、贅沢にオリーブオイルを使った食事が楽しめなくなりそう。食用油大手のJーオイルミルズは昨日(7月13日)、家庭用オリーブオイル21品目と業務用の出荷価格を10月以降14%から57%引き上げると発表しました。
この背景にあると見られるのが「エルニーニョ」到来です。
エルニーニョ発生年の日本は冷夏になるとされているのですが、代表事例は平成の米騒動。1993年、日照不足で米が大不作となり日本政府はタイ米の緊急輸入に踏み切りました。気象庁は今年6月に、この1993年春~秋の期間をエルニーニョ発生時期であったと再解析し追加したと発表しています。実はこの年の日照不足は1991年のフィリピンのピナツボ火山の噴火による影響だともされていたのですが、今になってエルニーニョの影響だったことが改めて示されたということです。
しかし今年はどう考えても冷夏ではなさそう。
実は今回のエルニーニョ到来パターンは、冬に収束したラニーニャ現象の影響が残った状態でエルニーニョ現象が発生する珍しい現象で、この2つの事象が続けて発生するのは1976年以来、47年ぶりだとか。「通常のエルニーニョ現象とは異なる」らしく何が起きるのか予測が難しいのだそうです。
異常気象というと穀物の作柄への影響で食物価格の高騰が懸念されますが、足元ではオリーブオイルが高騰し史上最高値を更新しています。世界のオリーブオイル生産の40%を担うスペインを襲った干ばつの影響で2022年のオリーブオイル生産量は前年比56%減。今年もスペインは雨不足が続いており生産量は減少する見込みです。
今夏のエルニーニョは2029年までに世界経済に3兆ドル(約433兆円)の経済損失をもたらす可能性があるとの試算も。猛暑による電力不足から節電要請などが出されると経済活動が鈍るという懸念もあります。
我が家では就寝時は氷枕を使うなど冷房に頼らない工夫をしていますが、まだまだ夏は始まったばかり。節電の意識はあれど、適度に冷房も使って夏バテしないようにエルニーニョの夏を乗り切りましょう。