東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて6日ぶりに反発しました。244円高の32,434円で寄り付いた日経平均は9時50分に278円高の32,468円まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め後場に入りマイナスに転じ、14時10分過ぎには105円安の32,084円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し結局13円高の32,203円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
SUMCO(3436)が4.8%高となりました。SUMCOが佐賀県に新設するシリコンウエハー工場に経済産業省が750億円を補助すると伝わったことで投資負担の軽減を好感した買いが入り一時は8.8%高となる場面もありました。埼玉県を中心に食品スーパーを展開するベルク(9974)も一時9.9%高となり年初来高値を更新しました。自社開発商品の取り扱いを拡大させたことや、効率的な運営を進めたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で40.8%増となったことから大幅高となりました。本決算を発表したコスモス薬品(3349)も一時9.5%高となり年初来高値を更新しました。2024年5月期の純利益は前期比でほぼ横ばいに止まる見通しですが、年間配当予想を前期比20円増の120円としたことから買いを集めました。また、第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で増益に転じたことで昨日にストップ高となった良品計画(7453)が目標株価の引き上げを受けて一時6.1%高となり昨日に続いて年初来高値を更新しています。
一方でウエルシアホールディングス(3141)が10.6%安となりました。新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが5類に移行し、マスクや検査キットといった関連製品の需要が減ったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で4.3%減となったことから売りが膨らみました。第3四半期決算を発表した100円ショップのワッツ(2735)も一時13.0%安となり年初来安値を更新しました。仕入原価の高騰や光熱費の上昇等の影響が想定以上だったことなどで2023年8月期の業績予想を下方修正したことに加え、株主優待制度の廃止を発表したこともあり大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は昨日の米国市場が自律反発狙いの買いで上昇したことから13円高となりました。一時140円台半ばまで円高が進んだこともあり後場にはマイナスとなる場面もありました。しかし、下げ渋ると持ち直し小幅に上昇して取引を終えました。そのため押し目買い意欲は引き続き強いといえそうですが、節目の22,500円を前に伸び悩み上げ幅を大きく縮めたことから上値の重さが意識されそうです。なお、2月決算企業の第1四半期決算発表が本格化しています。本日も引け後にはローソン(2651)やコーナン商事(7516)、イオンモール(8905)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)