7月7日七夕。私の住むマンションのエントランスには6月中旬頃から大きな竹が運び込まれ、住人の子らが願い事を書いた短冊を飾りつけています。
毎年この光景を目にすると、幼い頃、なぜ家の庭には竹がないのだ、笹がなければお願い事ができないと言って大泣きし、父を困らせた日を思い出します。娘の我儘に振り回されるのは日常の一幕に過ぎなかったのか、父はその日のことを全く記憶していないと言うし、私は私で、大泣きするほどに一体何をお願いしたかったのかはさっぱり覚えていないのですが、父の困り果てた顔だけが鮮明に蘇ってくるのです。
普段は生活に追われ忘却の彼方にある小さな出来事が、ある季節のイベントや景色、音、匂いなど五感が刺激された瞬間に鮮やかに蘇るものですね。
金融関係者にとって7月の記憶は、1997年タイを震源として引き起こされた「アジア通貨危機」でしょう。これが1998年のロシア危機~LTCM破綻の金融ショックへと波及していきます。翻って現在、円安進行が加速し、日本の通貨当局の介入牽制が繰り返されてはいますが、日本株は絶好調。米国も拙速な利上げの悪影響は景気指標にも株価にも現れていません。しかし、ちょうど昨年2022年7月頃から米短期債と長期債が逆転、逆イールド状態が1年も続いているばかりか、そのスプレッドが拡大基調にあることに警鐘を鳴らす向きも。この先どんな世界が待ち受けているのか。
毎週金曜日につぶやきを担当させていただくこととなりました。月に1度はマネクリにて「大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX」コラムを執筆しておりますが、つぶやきでも私なりの視点で気づきがあれば書かせていただこうと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
今夜は、米雇用統計。吉田恒氏とのライブセミナーでドル円相場のここからを展望いたします。ぜひご参加ください。