東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反発しました。83円安の30,599円で寄り付いた日経平均は直後に124円安の30,558円まで下落しました。しかし、節目の30,500円を前に下げ渋り切り返すと取引開始から10分でプラスに転じ上げ幅を広げ、後場に入り12時40分前には207円高の30,889円まで上昇し高値を付けました。その後、日経平均は伸び悩みましたが、堅調に推移すると結局118円高の30,801円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に下げたほか、新興株も安く東証マザーズ指数も下落となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場の取引終了後に決算を発表した画像処理半導体の米エヌビディア(NVDA)が5-7月期の業績見通しが市場予想を上回ったことなどから時間外で急伸したことで日本市場でも半導体関連銘柄に物色の矛先が向かいました。アドバンテスト(6857)が16.2%高となり上場来高値を更新し日経平均を1銘柄で154円押し上げたほか、東京エレクトロン(8035)が3.0%高、SCREENホールディングス(7735)が4.4%高、ディスコ(6146)が2.6%高、SUMCO(3436)も3.8%高となり、SCREENホールディングスとディスコ、SUMCOは年初来高値を更新しています。楽天グループ(4755)も一時3.1%高となりました。公募増資の発行価格が566円に決まったことから一旦あく抜けとなり買いが優勢となりました。ブイ・テクノロジー(7717)も3.4%高となりました。プリント基板製造の高度化に対応するために合弁会社を設立すると発表したことが材料視されました。

一方で投資判断や目標株価の引き下げを受けて飯田グループホールディングス(3291)やグローリー(6457)が安く、飯田グループホールディングスが投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時2.3%安となり、グローリーも投資判断の引き下げを受けて一時2.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は118円高となりました。米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の交渉に進展がみられないことで昨日の米国市場が続落となったことから売りが先行しました。しかし、139円台まで進んだ円安も支えとなり朝方の売り一巡後に下げ渋ると指数寄与度の大きいアドバンテストが急伸したこともあってプラスに転じ上げ幅を広げました。そのため地合いの強さが改めて意識されそうで、明日は22日に付けたバブル崩壊後の高値(31,086円)を上回って今週の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や1-3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)