東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて続落となりました。229円安の30,728円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分余りで100円安の30,856円まで戻しました。しかし、上値は重く再び下げ幅を広げると後場寄り直後に390円安の30,566円まで下落しました。その後、日経平均は下げ渋り持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局275円安の30,682円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

トヨタ(7203)が5.4%高となりました。昨日の大引けにかけて明確な理由もなく急落し4.8%安で取引を終えた反動で大幅高となりました。

中国電力(9504)も一時11.4%高となり年初来高値を更新しました。経済産業省が19日に家庭向け規制料金の引き上げを認可したことを受けて未定としていた2024年3月期の業績予想を発表し、前期に689億円の赤字だった営業損益が920億円の黒字に転換する見通しや、前期に無配だった年間配当を10円とし復配の見通しを示したことで買いを集めました。

同じく電力料金の引き上げが認められた他の電力会社にも買いが波及し、東京電力(9501)が一時5.3%高、北陸電力(9505)が一時6.7%高、東北電力(9506)が一時8.3%高、四国電力(9507)が一時8.0%高、北海道電力(9509)も一時7.0%高となり、東北電力と四国電力、北海道電力は年初来高値を更新しています。

また、23日のニューヨーク原油先物相場が上昇したことから石油関連株が高く、INPEX(1605)が一時3.4%高となり年初来高値を更新したほか、石油資源開発(1662)が4.5%高、コスモエネルギーホールディングス(5021)も4.9%高となりました。

一方で中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していると伝わったことからインバウンド関連銘柄が売られました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4.0%安、J.フロント リテイリング(3086)が3.6%安、マツキヨココカラ&カンパニー(3088)が5.1%安、オリエンタルランド(4661)が4.4%安、資生堂(4911)が5.6%安、コーセー(4922)も7.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は275円安となりました。米連邦政府の債務上限問題を巡る政府と野党・共和党の協議に進展がみられないことを嫌気した売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。

しかし、昨日時点の25日移動平均線との乖離率が依然として5%を超えるなど短期的な過熱感が強かったことからすると昨日同様に必要なスピード調整だったとみることもできそうで、本日の下げで25日移動平均線との乖離率が4%台半ばまで低下してきたことから調整一巡への期待も出てきそうです。

なお、日本時間の25日午前3時には5月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表されるほか、24日の米国では画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)の決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)