先週、中国と香港は旧正月の連休を迎えました。上海証券取引所と深セン証券取引所は11日(月)~15日(金)まで、1週間まるごとの休場となりました。一方、香港証券取引所は11日(月)~13日(水)までが休場となり、14日(木)から取引を再開しています。連休明けの香港株式市場は上昇から始まり、15日(金)も小幅続伸となりました。ただ、全体的に小動きであり、売買代金も低調で上海証券取引所と深セン証券取引所の取引再開が待たれている印象です。

中国では3月に全国人民代表大会と中国人民政治協商会議のいわゆる両会が開かれる予定です。両会では中国全土に関する政策が決定されますが、香港株式市場でも、この両会を前に、中国政府が推し進めている都市化に関する新しい政策が出るのではないかと期待されています。一方、中国の旧正月(春節)連休中の小売売上高ですが、前年比14.7%増の5390億元となりました。2012年の旧正月の小売売上高の伸び率は16.2%増でしたので、これには及ばなかったものの、まずまずの活況振りだったと評価できると思います。

その他の中国の経済指標としては、これは旧正月の連休前の2月8日の発表でしたが、貿易統計とインフレ統計があります。2013年1月の中国の輸出は前年同月比25.0%増となり、12月の14.1%増や市場予想の17.7%を大きく上回りました。また、輸入についても28.8%増となり、12月の6.0%増や市場予想の21.4%を大きく上回っています。1月は旧正月の影響によって一概に前年同月比で比べることはできませんが、それを差し引いても中国経済の回復度合いが強まっていることを意味する内容で、株価にはポジティブです。次に、インフレについてですが、1月の消費者物価指数(CPI)は2.0%増となり、12月の2.5%から減速しています。当然のことながら、インフレが収まっていた方が中国は経済政策を打ち出しやすいのでこれも株式市場にとってはプラスです。以上から、連休明けの中国株ですが、両会前の新しい政策発表を期待しながら、中国経済の回復を評価してジリジリと高くなっていくことが予想されるところだと思います。

コラム執筆:戸松信博