【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,987.18  △100.71 (4/17)
NASDAQ: 12,157.72  △34.26 (4/17)

1.概況

米国市場は米ニューヨーク連銀製造業景況指数の大幅な改善を受けて反発しました。43ドル高でスタートしたダウ平均ですが伸び悩むと徐々に売りが優勢となり午後には89ドル安まで下落する場面もありました。しかし、下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局100ドル高の33,987ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント高の12,157ポイントとなっています。

2.経済指標等

4月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は10.8と前月のマイナス24.6から大きく上昇し市場予想も大幅に上回りました。4月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も45と前月から上昇し市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、不動産が2%を超える上昇となったほか、金融も1%以上上げました。一方で3業種が下げ、エネルギーとコミュニケーション・サービスが1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が上げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)とトラベラーズ(TRV)、ボーイング(BA)、セールスフォース(CRM)、ホーム・デポ(HD)が1%以上上昇しています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が2%を超える下落となりました。韓国のサムスン電子が自社端末で通常使う検索エンジンをグーグルからマイクロソフト(MSFT)に切り替えることを検討していると伝わったことで売りが優勢となりました。また、半導体受託生産の台湾のTSMCが2023年の設備投資を減額する計画だと伝わったことで半導体製造装置関連銘柄が売られました。オランダのASMLホールディング(ASML)が4%余り下げたほか、アプライドマテリアルズ(AMAT)も1%近く下落しました。ラムリサーチ(LRCX)も1%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米ニューヨーク連銀製造業景況指数の大幅な改善を受けて米連邦準備理事会(FRB)が5月に利上げを決めるとの見方が強まり0.09%高い3.60%となりました。こうしたなかドル円はやや円安に振れ134円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか利益確定の売りが出やすいなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で1-3月期のGDPや3月の鉱工業生産指数など数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)