シルバーゲート銀行、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行が相次いで破綻し、経営不振に陥ったクレディ・スイスもUBSに買収されることになりました。私は世界的な利上げサイクルが終了に近づいているように思います。一連の破綻の影響が、他の金融機関にもまだ波及するのではないかと感じます。

先週末、UBSが20億ドル以上でクレディ・スイスを買収することで合意したと報じられました。スイス政府による手厚いサポートもあるようです。そのため、およそ2.2兆円規模のAT1債が無価値となるようです。これに伴い、社債投資家からの不満が高まりそうです。

今週は、AT1債を多く発行している欧州の金融機関から売りが強まると思います。日本経済新聞によるとソシエテ・ジェネラル、BNPパリバなどのような欧州系はAT1債を多く発行しており、先行きが懸念されます。

こういった状況を背景に、BTCは大きく上昇しました。欧米から資金がBTCに向かっているように思います。

BTC(ビットコイン)、400万円回復が近いか

【図表1】BTC/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

下降トレンドラインを右方向に抜けてから上昇が開始しました。週足チャートでは先週、逆三尊をしっかりとつくってからネックラインを超えました。MACDも1年以上ぶりにプラス圏に浮上しそうです。このネックラインは、サポートラインとして大きく機能するでしょう。

340万円をバックに買いトレード戦略が基本となりそうです。私は相当な悪材料が投下されない限り、このサポートを割り込まないと予想しています。これを前提にしばらく買い戦略を維持したいと思います。

目先、SMA90(3ヶ月移動平均線)をターゲットとして400−405万円が利益確定の目安になりそうです。このラインは2022年の2−3月頃もサポートとして見事に機能していたことから、今回はレジスタンスとして上値を押さえ込まれるのではないでしょうか。ドル建てでもちょうど3万ドル付近となるので、その可能性が高いと思われます。

ETH(イーサリアム)、上海アップデートは4月13日以降に

【図表2】ETH/JPY 週足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY週足チャート分析です。

ETHの次の大型アップデート「シャンハイ」は4月13日頃に実施予定だと発表されました。当初の予定より2−3週間遅れです。このアップデートが完了すると、ステーキングされていたETHが出金できるようになります。

BTCよりも上昇が出遅れているのは、このアップデート待ちの状況であるためではないかと考えています。現在23万5000円付近ですが、FTXショック前の高値をギリギリ超えられない状況です。

緑で引いたレジスタンスライン2本の突破が、ETHの上昇再開の合図となるように考えています(図表2参照)。目先、24万5000-25万円が重要な抵抗帯になると予想し、ここのブレイクを待つ状況です。

テクニカル的には、BTC同様にMACDもプラス圏に浮上する目前となっており、上昇開始の合図寸前です。SMA30(1ヶ月移動平均線)よりも上でしっかりとローソク足がキープされていますので、こちらもプラス要因です。

浅い押し目から入れる条件が整っています。指値注文より、成行注文でエントリーしていける水準のように思います。

今週も、BTC、ETHともに買い目線継続です。特にBTCに対しては、より強気で考えています。目先、BTC400万円、ETH25万円を目指すイメージです。