報道によると、銀行持ち株会社の米シルバーゲート・キャピタルは独自の暗号資産決済ネットワーク「シルバーエクスチェンジ・ネットワーク」を停止し、通常の銀行業務は継続することを発表したそうです。同時に、SEC(米国証券取引委員会)への年次取引報告書の提出を延期し、暗号資産の入出金フローの停止も発表しました。

FTXショックから端を発したシルバーゲート問題ですが、まだまだ波乱が続いています。同社の暗号資産事業からの撤退は非常に残念ですが、この選択はやむを得なかったように感じます。破産を回避することが先決だったのではないでしょうか。私は、最終的にはポジティブな方向に転じるように考えています。その場合、BTCも上昇相場に回帰していくと思います。

BTC(ビットコイン)、トレンドラインを明確にブレイク

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析から始めます。

上昇トレンドラインを割り込んでおり、SMA30(1ヶ月移動平均線)も下抜けています。テクニカル的には、下落トレンドの入口に存在しているような形状です。また小さな下落並行チャネル内で推移しており、しばらくこのレンジ内で推移しつつ、徐々に右肩下がりの展開となるのではないでしょうか。

MACDはダイバージェンス発生後、ゆっくりと下落しましたが、BTC価格の天井圏でのキープ力は目を見張るものがありました。この値動きは上昇トレンドが強かったことを示していると思います。

そのMACDですが、あと数日経てば、0.00ラインの沈下する距離まで下がっていくでしょう。その後、0.00付近での推移が長引くようであれば、次のトレンド発生時に買っていけるのではないかと考えています。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足チャートに時間軸を落とします。

今週は深い押し目買いスタンスでいきたいと思います。並行チャネルレンジ下限からの買いを意識します。一方で、上がったところでは、ポジション縮小を意識し、チャネル上限ラインでの利食いを検討したいと思います。

この下降並行チャネルレンジは、年初からの大きな上昇トレンドに伴う「ガス抜き期間」という認識です。そのため、先述のシルバーゲート問題が解消されれば、また大きく買い戻されると予想します。

4時間足ベースで考えますと、レンジ下限ラインになりますので、おおよそ285−295万円が買い場となるイメージです。

ETH(イーサリアム)、BTCとの連動を意識した買い場探し

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いてETH/JPY日足チャート分析です。

上昇トレンドラインを右方向に抜けてしまいそうです。SMA30よりも下で推移していますので、BTC同様に調整局面に入ったと考えて良いでしょう。

MACDも同じく0.00ラインに向かっていますので、今後数日から1週間かけて上値の重い展開となりそうです。次のサポートとしては、SMA90(3ヶ月移動平均線)(水色)を意識します。したがって、今週のサポートはおおよそ19-20.5万円ゾーンとしておきたいと思います。

ETHは3月にアップデート「Shanghai(シャンハイ)」を控えており、テストネットへの移行は完了した模様です。今週中には、おそらく本番環境へのアップデート日時が発表されると思います。3月下旬あたりになるのではないでしょうか。

このアップデートを終えますと、いよいよ長年待ちわびたシャーディングが実装されます。これでイーサリアムのスケーラビリティ問題は大きく解消されるでしょう。それに伴い、トランザクション処理量が90−100倍に近づくことになりますので、従来実現し得なかったETH上でのアプリケーションが動き出すと考えられます。

実需が生まれますので、ガス使用料も増えていくでしょう。その場合ETHの実需が必然的に上昇しますので、買いやすくなると思います。したがってシャンハイアップデート後、シャーディング実装に向けた期待の買いが入りやすくなるのではないでしょうか。

ETHもBTC同様に買い目線です。BTC価格との連動を意識し、BTC価格が285-295万円のタイミングで買いを狙いたいと考えています。