【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,656.70  ▼232.39 (2/28)
NASDAQ: 11,455.54  ▼11.44 (2/28)

1.概況

米国市場は長期金利が一時昨年11月以来の高水準を付けるなか米連邦準備理事会(FRB)による利上げの長期化を警戒した売りが出て反落となりました。15ドル安でスタートしたダウ平均は昼前に210ドル安程度まで下落した後一旦下げ渋りましたが、その後も軟調に推移すると引けにかけて再び下げ幅を広げ結局232ドル安の32,656ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も11ポイント安の11,455ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は102.9と前月から低下し市場予想も下回りました。2月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も43.6と前月から低下し市場予想を下回っています。12月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数も前年同月比4.6%上昇に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やエネルギー、生活必需品などの8業種が下げ、公益事業とエネルギーは1%を超える下落となりました。一方で素材とコミュニケーション・サービス、金融の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では消費者向け事業の再編を明らかにしたゴールドマン・サックス(GS)が4%近く下げたほか、メルク(MRK)も3%近く下落しました。ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、シェブロン(CVX)、アムジェン(AMGN)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%以上下げています。一方でJPモルガン・チェース(JPM)が1%近く上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)がコストを削減できる露光装置の新製品を発表したことで3%を超える上昇となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)もマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)が文章や画像を自動生成する人工知能(AI)をサービスに取り入れるための専門チームを設けると明らかにしたことから3%余り上げました。ディスカウントストア大手のターゲット(TGT)も決算で売上高などが市場予想を上回ったことで1%近く上昇しています。クルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス(NCLH)は決算で1株損益の赤字幅が市場予想より大きかったことで10%余り下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い3.92%となりました。一時は3.98%まで上昇し昨年11月上旬以来の水準を付ける場面もありました。ドル円は136円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)