上昇と下落が交互に発生中、方向が定まらない状態

前回のコラムでは、陰線の多さやトレンドとの関係について解説しました。しかし、1週間で株価水準が切り下がるとともに、緩やかな下向きに変化した5日移動平均線と、上昇を続ける25日移動平均線との間で推移しているのが分かります。

ただ、株価の水準が切り下がったといっても500円程度で、どちらかといえば方向感がないといった方が良いかもしれません。

そのような中、日経平均に面白い現象が発生しています。これは株価にトレンドが出ていない原因と言っても良いと思います。2月9日に上昇してから21日までの間、上昇と下落が交互に発生しているのです。

上げ下げが交互に繰り返される場合、同じ値幅で上昇と下落が繰り返されれば株価水準は横ばいになりますが、前述のように500円程切り下がっているところから考えますと、上昇値幅より下落値幅の方が大きかったということになります。

このような値動きの中で、5日移動平均線と25日移動平均線の間に挟まれた状態で終えており、今後どちらにトレンドが発生するのかが注目されます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

どちらの移動平均線をブレイクするのか要注目

上昇と下落が交互に発している中、5日移動平均線と25日移動平均線に挟まれた状態になっているわけですから、この状態が崩れるためには、上昇か下落が連続して発生する必要がでてきます。

また、連続して発生するとともに、値幅を伴う上昇または下落が発生すれば、トレンドの発生とともに、5日移動平均線と25日移動平均線のどちらかをブレイクして、株価が動き出すことにつながると考えられます。果たしてどちらにブレイクするのでしょうか。

株価水準が上下どちらかに動くことに加え、5日移動平均線と25日移動平均線をブレイクして、そのまま維持するのかが、トレンド発生のポイントになると思われます。今週から来週にかけての値動きには注意しておきたいところです。