今週、14日(火)に米CPI(消費者物価指数)が発表される予定です。1月CPIの市場予想は、前年同月比6.2%上昇(前回:6.5%上昇)、前月比0.5%上昇(前回:0.1%低下)となっており、これまで以上にインフレ率低下速度の鈍化予想が多く出てきています。特に前月比ベースでは前回を大きく上回る0.5%上昇と予想されており、消費活動が徐々に上昇していることから月ベースでは少し高くなっています。

中古車販売が予想外に好調であると報じられていますし、1月の雇用統計も好調でした。こういった状況から、インフレはなかなか収まらないと思います。政策金利も上昇せざるを得ないでしょう。

今週発表の1月の米CPIが市場予想を上回ると、再びドル高相場となりそうです。その場合、暗号資産市場にとって向かい風になるでしょう。

BTC(ビットコイン)、293万円付近がレジスタンスに

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。

SMA30(1ヶ月移動平均線)を明確に下抜けしました。しばらく上昇トレンドとなっていましたが、一旦、ここで一休みとなりそうです。次は、SMA30まで上がったところがレジスタンスになりやすいと考えています。良くて横ばいレンジでしょうか。

今週はこの価格水準から14日のCPI発表までの間にポジションを縮小し、再度押し目を拾う戦略を考えています。

4時間足で押し目買いの水準を探ります。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

4時間足チャート分析です。

戻りの目安は290万円付近のレジスタンスラインでしょうか。日足のSMA30は現在293万円付近で推移しており、ここもレジスタンスとして機能する可能性は高いと考えられます。従って、290-293万円は上値抵抗帯として硬そうです。この水準に達したら、ポジションを解消するタイミングかもしれません。

米CPIがインフレ率の鈍化傾向を示す結果となれば、再び暗号資産は上昇すると思いますが、それでも上値は重くなりそうに感じます。よって、上がったところは一旦売り逃げするタイミングかもしれません。

また米CPIは、前月比ベースでは上昇傾向になりつつありますので、3月もまだ上振れする可能性が残ります。このように考えますと暗号資産や株式は上値の重い展開が続くと考えられます。

ETH(イーサリアム)、クラーケン調査報道で上値の重い展開

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャート分析に移ります。

並行チャネルレンジを下抜けし、形状が弱々しい状況です。先週、米SEC(米証券取引委員会)は暗号資産取引所クラーケンの米顧客向けステーキングサービスが無登録の証券提供にあたると発表しました。

これに伴い、今後ETHプロジェクトの多くは金融商品として認識される可能性があり、ETHにとって向かい風です。そのため、SECによるクラーケン調査の報道を受けてETHは反落となりました。

BTCチャートと比較してもSMA30が少し遠い位置にあります。戻り高値まで幅がありますが、SMA30は現在20万7000-8000円で推移しています。

今週は上値目処としてこの価格帯を意識し、ここをバックに一度ポジションを整理して深い押し目買いを狙うと良さそうです。押し目買いの水準は18万2000円のサポートラインとなりますので、20万円以上ではポジションを一部縮小し、再度18万円台から拾っていく戦略が考えられます。

今週はCPIの上振れを警戒し、週前半はポジション縮小を意識し、下がったところから再度押し目買いを検討したいと思います。