【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,926.01  ▼127.93 (2/3)
NASDAQ: 12,006.96  ▼193.86 (2/3)

1.概況

先週末の米国市場は強い米雇用統計を受けて米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの期待が後退し下落となりました。127ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に220ドル安程度まで下落した後切り返すとまもなくしてプラスに転じ昼前に125ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むと午後に入って再びマイナスとなり下げ幅を広げ取引終盤に240ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局127ドル安の33,926ドルで取引を終え続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も193ポイント安の12,006ポイントと4日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比51万7000人増となり市場予想を大きく上回りました。失業率は3.4%と前月から0.1ポイント改善し53年8ヶ月ぶりの低水準となりました。また、1月の米ISM非製造業景況感指数も55.2と前月から上昇し市場予想も上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが3%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスと公益事業、不動産も2%以上下げました。また、素材も2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス(AXP)が3%を超える上昇となったほか、決算でiPhoneの販売が改善する見通しを示したアップル(AAPL)も2%以上上げました。一方でホーム・デポ(HD)とマイクロソフト(MSFT)、スリーエム(MMM)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ウォルト・ディズニー(DIS)、セールスフォース(CRM)が2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が決算で売上高と利益が市場予想を下回ったことで2%を超える下落となりました。また、アマゾン・ドット・コム(AMZN)は1-3月期の営業利益がゼロに減少する可能性があるとの見通しを示したことで8%以上下げています。さらに半導体株が軟調でエヌビディア(NVDA)とウエスタンデジタル(WDC)が3%近く下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も2%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は強い米雇用統計を受けてFRBが早期に利上げを停止するとの期待が後退したことで0.13%高い3.52%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ131円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場はドル円が円安となっていることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)