今週(1月27日~2月2日)の相場動向

相場回顧 BTC:堅調ながら、米主要経済イベント前後で上値も重い展開

ビットコインは、米12月個人消費支出が鈍化し、利上げペース減速への期待が高まる中で堅調に推移した。アマゾンがブロックチェーンゲームをはじめとするWeb3事業を開始する計画との報道もあり、30日にかけてはBTC=310万円(24,000ドル)付近まで上昇した。

米FOMCを前にタカ派的な内容を警戒する動きから米国株とともに売りが強まった。ツイッターが暗号資産決済機能の開発を進めているとの報道を受けて買われる場面もあったが、メタやグーグルなど米大手ハイテク株の決算発表も控える中、もみ合いとなった。

米FOMCでは市場予想の通り0.25ポイントの利上げが発表され、パウエルFRB議長がインフレ抑制について前向きに発言したことで、米国株とともに再びBTC=310万円(24,000ドル)付近まで上昇した。その後、ISM関連指標の鈍化によって景気後退の懸念が意識されたことや、1月米雇用統計の発表を控えて上値が重くなった。

 

来週(2月3日~2月9日)の相場予想

BTCはリスクオン買いが継続するも、主要イベント通過後の売りには警戒

金融市場では米FOMCを受けて利上げ打ち止めへの期待が高まっている。パウエルFRB議長はさらに複数回にわたる利上げが必要としながら利上げサイクル終了の可能性も示唆した。インフレ率および利上げのピークアウトが意識される中で米国株とともに買いが継続することは考えられるだろう。

一方、景気後退については国際通貨基金(MF)が2023年の世界成長率を上方修正し、楽観論も広がっている。しかし、米経済指標では消費などの鈍化傾向が見られ、企業決算も内容がまちまちとなっているため、不透明感からリスク資産への投資を控える動きは続くだろう。主要イベントを通過し、年初からの上昇の揺り戻しには警戒したい。

暗号資産市場では金融市場におけるリスクオンを受けて買いが続いている。その中、ビットコインの値上がりによって暗号資産関連企業の事業環境も改善されつつあり、デジタル・カレンシー・グループを取り巻く問題をはじめ、追加的な悪材料は出ていない。

アマゾンやツイッターなど大手企業によるWeb3関連の動きもあり、期待先行で買いが続くことは考えられる。直近、ビットコインを中心に買われていることも良い傾向であるが、アルトコインへの資金流入が強まって、ドミナンスが急低下した際には下落を警戒した方が良いだろう。ブロックチェーンが乱立した2021年以降、ドミナンスは48%付近で反落する傾向がある。

直近上値としてBTC=322万円(25,000ドル)、下値としてBTC=258万円(20,000ドル)を意識する。

※1ドル=129円で換算(執筆時)