【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,053.94 ▼39.02 (2/2)
NASDAQ: 12,200.82 △384.50 (2/2)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はヘルスケアなどディフェンシブ株が売られたことで3日ぶりに小幅に反落となりましたが、長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は大幅に3日続伸となりました。36ドル高でスタートしたダウ平均は直後に52ドル高まで上昇した後伸び悩むとマイナスに転じ朝方に278ドル安まで下落しましたが、その後持ち直すと午後にはわずかにプラスとなる場面もありました。
しかし、上値は重く直ぐにマイナスになると朝方につけた安値近辺まで再び下げ幅を広げました。その後引けにかけて急速に持ち直したダウ平均ですが戻し切れず結局39ドル安の34,053ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が60ポイント高の4,179ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も384ポイント高の12,200ポイントとなり3%を超える大幅高となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件減の18万3000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。 10-12月期の米労働生産性指数速報値も年率換算で前期比3.0%上昇し市場予想を上回っています。一方で12月の米製造業受注は前月比1.8%増に止まり市場予想を下回りました。また、欧州中央銀行(ECB)は理事会で政策金利の0.5%の利上げを決めました。英中銀も金融政策委員会で政策金利の0.5%の利上げを決めています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスが6%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも3%余り上げました。また、情報技術と不動産も2%以上上昇しています。一方でエネルギーや生活必需品などの4業種が下げ、エネルギーは2%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
長期金利の低下を受けてハイテク株が買われました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が設備投資計画の下方修正を発表したことでコスト圧縮を期待した買いが入り23%を超える上昇となったほか、テスラ(TSLA)も今後2カ月間、中国・上海工場で増産する方針と伝わったことで4%近く上げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も7%以上上げ、マイクロソフト(MSFT)も4%を超える上昇となりました。また、アップル(AAPL)も3%以上上げました。
しかし、取引終了後に発表した決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も7%を上回る上昇となりましたが、取引終了後に発表した決算で1-3月期の売上高見通しが市場予想に届かなかったことから時間外で大幅安となっています。さらに半導体株が高く、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が4%を超える上昇となり、エヌビディア(NVDA)も3%以上上げました。ウエスタンデジタル(WDC)も3%近く上昇しています。一方で製薬のイーライ・リリー(LLY)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで3%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦準備理事会(FRB)が早期に利上げを停止するとの観測による債券買いが続き0.03%低い3.39%となりました。ドル円は128円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場でナスダック総合株価指数が大幅高となったことから上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見になりやすいなかで日経平均が節目の27,500円を上回ることができるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)