今週(1月20日~1月26日)の相場動向
相場回顧 BTC:あく抜け感から上昇継続も、米企業決算を見極める動き
ビットコインはFTXグループの更生手続きに進展がみられる中、あく抜け感も意識されて買いが継続し、BTC=299万円(23,000ドル)付近まで上昇した。デジタル・カレンシー・グループ(DCG)傘下のジェネシスが破綻申請を発表したが、最大の顧客が2022年すでに倒産したスリー・アローズ・キャピタルやアラメダ・リサーチであったため、連鎖効果は小さいとの見方から相場への影響は限定的となった。
米イエレン財務長官が米国のインフレ動向に関して前向きな発言をし、インフレ鈍化や利上げペース減速への期待が強まって米国株とともに堅調に推移した。米司法省が起訴したロシア系暗号資産取引所ビッツラートと大手暗号資産取引所バイナンスとの関係について疑惑が報じられ、売りが強まる場面もみられた。
しかし、注目されたテスラの決算発表ではビットコイン継続保有が確認され、1月26日にかけて一時BTC=312万円(24,000ドル)付近まで価格を伸ばした。その後はハイテク企業を中心に低調な決算に伴う失望売りを警戒する動きもあり、米国株とともに上値が重くなった。
来週(1月27日~2月2日)の相場予想
BTCは米FOMC後のさらなる上昇に期待だが、景気動向など不透明さも残る
金融市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)に注目が集まっている。2月1日にかけては米国企業決算の良し悪しで相場が左右されることもあるだろうが、様子見姿勢が強まって方向感に乏しい展開になるだろう。市場の期待通り利上げ幅縮小となれば米国株とともに買いが強まることが考えられる一方で、0.5ポイント利上げ継続であればかえって下落する可能性もある。
インフレや景気の動向について楽観ムードが広がっていることもあり、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が釘を指す形で調整が入ることにも警戒したい。また来週は米ISM関連指標や米雇用統計の発表も控えており、これらが低調となった場合には景気後退が意識されて売りが強まることが予想される。
暗号資産市場では金融市場のリスクオンムードにも後押しされて買いが強まっている。米FOMCの結果を受けて米国株とともにさらに価格を伸ばすことも考えられるだろう。FTXグループ破綻後の影響が一服しつつある中、マイニング環境や投資家心理も改善されつつあり、暗号資産関連企業の業績悪化も底が見えることで、ビットコイン価格の上昇が継続する可能性はある。
しかし、世界的な景気後退に加えて、シルバーゲートやシグネチャーバンクといった暗号資産銀行の業績悪化や、バイナンスの不正関与疑惑など新たな懸念材料も出ており、本格的な上昇までは不透明な要素も多い。
直近上値としてBTC=325万円(25,000ドル)、下値としてBTC=260万円(20,000ドル)を意識する。
※1ドル=130.00円で換算(執筆時)