レンジの下限近くで発生した窓をすべて埋める
2023年の日経平均は大発会が2023年の安値になっていますが、2022年末から1月17日までに発生した窓をすべて埋める展開となっています。
前回は、2022年12月30日と1月4日の間、そして1月6日と10日の間に2つ窓が発生しました。
その後、1月10日と11日の間にも小さな窓が発生しているのが分かります。さらに、1月13日と16日の間にも窓が発生しており、2022年末から2023年に入っておよそ2週間の間に4つも窓をあけています。
ただし、これらの窓の種類を考えますと、大きなレンジの下限近辺で価格が集まっているところで発生した窓となっているため、コモンギャップ(=普通の窓)であることが分かります。
また、コモンギャップということもあって、1月17日の取引が終了したところですべての窓を埋めており、2023年に入って発生した窓は全て埋まってしまった格好です。
それでは、今後の展開はどうなるのでしょうか。特に1月18日には日銀金融政策決定会合の結果が発表されるため、前回のように予想外のことが発表されると市場の混乱を招きかねません。
いかなる発表でも、基本は5日移動平均線の向きと株価の位置関係が重要
そこで、テクニカル的な注目ポイントになるのが5日移動平均線の向きと株価の位置関係です。この基本はどのようなサプライズが発表されても、変わりはありません。
なぜなら、株価は全ての情報を織り込んで動くと考えられるからです。したがって、どのような結果が発表されても、その結果を織り込んだ上で株価は動きます。
そのため、5日移動平均線上を回復して維持することができれば、5日移動平均線が上向きに変化してサポートになることが考えられるとともに、下向きの25日移動平均線に接近したり、上回ったりすることが視野に入ってくるのです。
ただし、日銀金融政策決定会合後の発表がどのような結果であっても、5日移動平均線を終値で下回ったまま回復できなかったり、下向きの5日移動平均線が上値の抵抗になったりするようですと、再びレンジの下限に接近したり、レンジの下限を割り込んで下放れたりすることが考えられるのではないかと思われます。
2023年相場は大発会の25,700円前後から26,500円までの狭いレンジでの値動きとなっています。とはいえ、レンジの下限近辺で複数の窓が発生する中、戻せるか下放れるかの攻防になっていますので、上下どちらにトレンドが発生するのか、見誤らないようにしたいところです。