モトリーフール米国本社、 2023年1月15日 投稿記事より

主なポイント

・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイの株価が市場をアウトパフォームしたカギは、大規模な株式ポートフォリオにある
・バフェット氏は業績やバリュエーション、そして重要な無形資産に基づいて銘柄を選択している

バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの株価は、1965年以降、株式市場を大きくアウトパフォームしている

熱心な投資家であれば恐らく、稀代の投資家の1人であるウォーレン・バフェット氏の名前を一度や二度は聞いたことがあるはずです。

1965年にバフェット氏がバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の経営を引き継いで以降、同社の株価は市場を大きくアウトパフォームしています。その大部分は、同社が保有する時価総額3,220億ドルを超える大規模な株式ポートフォリオのおかげで、これはバフェット氏と同氏の投資チームが個別銘柄を選択して売買を行っています。

個人投資家が個別銘柄を選択する際、オマハの賢人と呼ばれるバフェット氏の投資戦略はとても参考になるはずです。バフェット氏のアドバイスに基づき、以下の3つの特性を持つ銘柄を買うと良いかもしれません。

1. 安定した業績

バフェット氏はまず、興味を持った企業が業績面で安定した実績を持っているかどうかに着目します。

それを評価する方法の1つとして、バフェット氏は、純利益を自己資本で割った株主資本利益率(ROE)や、売上高のうちどれだけが利益になるのかを表す利益率を使用します。目標は、力強いROEや利益率を1度だけ上げた企業ではなく、さまざまな経済環境の中で何度も繰り返し達成できる企業を見つけることです。

例えば、バークシャー・ハサウェイの上位保有銘柄の1つであるクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(AXP)は、過去10年間にわたり12%超のROEを維持しており、25%以上となったことが何度もあります。また、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの中で、群を抜く最大保有銘柄であるアップル(AAPL)は、2010年以降20%を上回る利益率を維持しています。

2. バリュエーション

バフェット氏は優れたバリュー投資家です。市場で無視されている、または理解されておらず、本質的価値を下回る株価で取引されていて、時間とともに株価が本質的価値を上回るまで上昇すると見込まれる企業の株式を購入してきました。

一見すると突飛なようですが、そこには綿密な考えがあり、バフェット氏とバークシャー・ハサウェイは、単にバリュエーションが割安な銘柄を探しているわけではありません。バフェット氏は以前、株主宛ての手紙の中で、「まずまずの企業を優れた株価で買うよりも、優れた企業を適正な価格で買う方がはるかに良い」と書きました。

つまり、バリュエーションに惑わされてはいけないということです。簿価に対して大幅なディスカウントで取引されている企業があった場合、そのディスカウントにはそれなりの理由があるはずです。それよりも、適正なバリュエーションで優れた企業を見つける方が、長期的に良い結果をもたらしてくれると思われます。

その一例が、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの中で2番目に大きいバンク・オブ・アメリカ(BAC)です。現在、バンク・オブ・アメリカの株価有形資産倍率は約1.6倍であり、特に足元の市場では、銀行株として割安とは言い難い水準です。しかし、バンク・オブ・アメリカは現在、資産規模で米国第2位の銀行であり、収益性も高く、預金と融資のフランチャイズによって強力な競争優位性を築いています。バフェット氏は、長期的な観点で、バンク・オブ・アメリカの株価は依然として適正価値であり、保有に値すると見ているようです。

3. 鉄壁のブランド力

バークシャー・ハサウェイの保有銘柄の多くに共通するもう1つのテーマは、非常に強いブランド力です。アップルやコカ・コーラ(KO)を見れば明らかです。では、バフェット氏はなぜ強いブランドが好きなのでしょうか。コマーシャルが面白いからではありません。

本当の理由は、強いブランドを持つ企業は圧倒的な価格決定力を持つことができるからです。これは、現在のような高インフレの時代にとても有益です。アップルやコカ・コーラで事業コストが増加しても、強力なブランド力のおかげで、消費者からそれほど反発を受けずに製品の値上げができるのです。

iPhoneが人々の生活の中でどれだけ大きな存在になっているか、考えてみてください。iPhoneの価格が100ドル上がったとしても、ほとんどの消費者はどのみちiPhoneを買うでしょうし、特に長年のiPhoneユーザーであればなおさらでしょう。また、ペプシよりコカ・コーラの方が好きという声を何度も聞いたことがあるはずです。

たとえペプシの方が安かったとしても、どちらか片方を選べと言われたらコカ・コーラが選ばれる可能性が高いのです。このようなブランド力を持つ企業は、長期保有に最適な銘柄と言えます。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。アメリカン・エキスプレスは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。バンク・オブ・アメリカは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。元記事の筆者Bram Berkowitzは、バンク・オブ・アメリカの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はアップル、バンク・オブ・アメリカ、バークシャー・ハサウェイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の200ドルコールのロング、コカ・コーラの2024年1月満期の47.50ドルコールのロング、アップルの2023年3月満期の120ドルコールのロング、バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の200ドルプットのショート、バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の265ドルコールのショート、アップルの2023年3月満期の130ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。