米ドル/円 週間予想レンジ:131.00~134.50

メインストラテジー:押し目買い

・円高の一旦終焉を確認済
・日米金利差なら米ドル買い
・当面は底値鍛錬の時期

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は年明けから一旦130円関門を割り込んだものの、一転して切り返し、また一時134.79円まで戻ったことで、安値更新自体が「ダマシ」であった可能性を示唆した。もっとも、2022年年末の戻り高値が134.50円を示し、同高値の一旦ブレイクが確認された以上、円高の一旦終焉が確認されたとみている。

プライスアクションの視点では、先週一旦129.51円まで下落したものの、週足では陽線で大引けし、また2022年最終週の足に対して「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯させたことで、2022年10月高値を起点とした米ドル安/円高の一旦終焉を示唆した。そのため、先週末の米雇用統計を受けた市場センチメントの変化、またそれにより生じた米ドルの再反落を過大評価すべきではなく、あくまで切り返しの途中における波動と見なしている。

そもそも2022年12月20日の大陰線は大きな意味合いを持つ。同日の値幅拡大は、いわゆる「黒田緩和修正ショック」の結果と見なされただけに、同日安値の130.57円に対する一旦安値更新、またその後の切り返しで1月3日の罫線を「フォールスブレイクアウト」的な存在と証明し、底打ちの公算を高めている。

1月6日の一旦高値トライは、2022年12月28日の高値を一旦ブレイクしてから反落し、当面の抵抗を確認、また場合によっては再度「ダマシ」と化す可能性があるものの、投じて安値圏での保ち合いの一環と見なし、前述のように、134.50円の一旦ブレイクのほうがより重視される。言ってみれば、底値鍛錬の時期において、再度安値更新さえ回避できれば、再び134.50円の回復が有力視され、2022年10月高値を起点とした下落波に対する戻りを継続させる公算が大きい。

もちろん、この場合は前述の「黒田緩和修正ショック」がもたらした12月20日の大陰線を安易に否定できないと思う。しかし、時間がかかる上、また紆余曲折も想定されるが、テクニカルの視点では、安値再更新を回避できた場合は遅かれ早かれ同日高値の137.48円の打診やブレイクを果たすとみている。そのため、押し目買いのスタンスを維持したい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:90.50~93.50

メインストラテジー:押し目買い

・ダブルボトム形成で上放れ
・豪ドルの優位性が鮮明化
・重要な節目の打診自体がサイン

【図表2】豪ドル/円(日足)  
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週一旦87円台前半まで続落したものの、その後一転して大幅に切り返し、一旦91円関門の再打診をもって底打ちの構造を示唆した。週足では「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯、日足では「ダブルボトム」の構造をしっかり示し、豪ドルの優位性を示唆した。

同優位性を検証するもっとも大きなサインは2022年12月20日大陰線に対する安値再更新回避にある。他の主要クロス円が軒並み同日安値を大きく割り込んでいたなか、豪ドル/円は同様の値動きを回避、また先週の切り返しでダブルボトムの構造を確立させ、1月9日に一旦92円関門手前まで上昇したこと自体も上放れのサインと見なせる。

このままだと、前述の12月20日高値の92.11円をブレイクしていくだろう。一気に上放れすることにより、多少の紆余曲折が想定されるが、上放れさえ確認できれば、豪ドルの優位性が一段と証明され、また新たな変動レンジ入りが暗示されるだろう。この場合、2022年12月高値の93.97円への「全値戻し」もあり得る。

もっとも、現時点でも重要な節目にトライしていることが分かる。なにしろ、2022年9月高値を「ヘッド」と見なした場合、日足や週足では大型「ヘッドショルダーズ」というフォーメーションの存在を確認でき、2022年12月にいわゆる「黒田緩和修正ショック」がもたらした上放れで一旦同フォーメーションを成立させたわけだ。

しかし、結局のところ安値再更新を回避し、また日足ではダブルボトムの確率で再度節目に戻ってきたところで、フォーメーションの存在を否定する値動きとして有力視される。言ってみれば、大きな「ダマシ」のサインの点灯が確認されつつ、豪ドルの優位性を示すもっとも強い証拠となり得る。

従って、今週も上値を追う展開になりやすいとみなすが、円絡みなので一旦調整があっても許容範囲内である。この場合は出遅れたロング筋にとって参入好機と見なされるため、押し目買いのスタンスを維持していきたい。