今週(12月30日~1月5日)の相場動向

相場回顧 BTC:年始、アルトコインとともに買い戻しが強まるも上値は重い

ビットコインは年末年始休暇で薄商いとなるなかもみ合いの展開となった。2022年末にかけては税金対策の売りも入り一時BTC=219万円(16,500ドル)を割り込む場面もみられたが、その後はFTXグループ破綻の影響を大きく受けていたソラナが下げ止まったこともあり、底堅く推移した。年が明けてからはアルトコインを中心に買戻しが強まった。

世界的なインフレや景気後退への不透明感が残るなか、3日の米国株は下げスタートとなったが、ビットコインはイーサリアムやソラナなどの強い値動きに連れ高してBTC=225万円(17,000ドル)付近まで上昇した。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では早期の利下げ転換について慎重な見方が示され、利上げ継続への懸念から上値が重くなった。米12月ISM製造業総合景況指数が低水準となったことで景気後退懸念も高まり、米12月雇用統計の発表前には様子見ムードが広がった。

 

来週(1月6日~1月12日)の相場予想

BTCはDCG破綻懸念が強まるなか上値の重い展開を予想、米CPIには注目

金融市場では米国における利上げ継続の見方が分かれている。市場は2023年内の利下げ転換を期待する一方で、当局者らは年内の利下げについては時期尚早との姿勢を示している。今後は主要経済指標などを受けて両者のずれがどのように解消されるかに注目である。来週は米12月消費者物価指数の発表を控えており、前月に続いて伸びが鈍化した場合には買いが強まることも考えられる。逆にインフレの高止まりを印象づける内容だった場合には売りが強まるだろう。

暗号資産市場ではFTXグループ破綻の余波としてデジタル・カレンシー・グループ(DCG)の破綻懸念が強まっている。同グループ傘下の暗号資産関連企業ジェネシスは2022年11月から出金を停止しており、破綻間近であると報じられている。同じ傘下には最大の暗号資産投資信託を提供するグレースケールもあり、同社の投資信託であるGBTCやETHEの売りが強まっている。これらの投信と現物価格とのマイナス乖離はそれぞれ過去最大の45~60%程度まで拡大している。これらの不安がなくなるまでは積極的な買いに動きづらく、FTXグループに続く大手グループの破綻劇となればさらなる下落は避けられないだろう。

直近上値としてBTC=238万円(18,000ドル)、下値としてBTC=212万円(16,000ドル)を意識する。


※1ドル=132.50円で換算(執筆時)