75日移動平均線をサポートに25日移動平均線上を回復

前回(12月7日~13日)の日経平均は、12月8日に一時下向きの75日移動平均線を下回る場面がありましたが、12月9日に反発に転じると5日移動平均線を上回り、12月13日には上向きの25日移動平均線上を回復して終える結果となりました。

ただ、相変わらずボックス相場の上限となっている28,250円前後の水準を上回ることができておらず、もち合いが継続中と考えられそうです。

そのような中、移動平均線の向きを見ますと、5日移動平均線と25日移動平均線は上向きを続けていますが、75日移動平均線の下向きが続いており、トレンドがはっきりしていない状況です。

このように移動平均線の向きが揃っていないときに注意する必要があるのが急落です。仮に値幅を伴う急落が発生すると、25日移動平均線と5日移動平均線が下向きに変化してしまうことが考えられます。

仮に75日移動平均線辺りまで下落してしまうようですと、25日移動平均線と5日移動平均線が同時に下向きに変化することになり、3本の移動平均線の向きが下方向で揃ってしまうことになり、下降トレンドの発生が警戒されることになります。

その一方、25日移動平均線上を維持することができれば、75日移動平均線が上向くことが期待されるとともに、ボックス相場の上抜けも視野に入ってくるのではないかと思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

25日移動平均線上を維持することが年末高の必須条件

また、年末高に向けたテクニカル的な条件としても、25日移動平均線上を維持することが必須条件になると思われます。なぜなら、12月13日現在で5日移動平均線が25日移動平均線の下に位置しているためです。

仮に25日移動平均線上を維持するようですと、上向きに変化した5日移動平均線が25日移動平均線上を回復してゴールデンクロスが発生するとともに、5日移動平均線がサポートになって、ボックス相場の上限を突破することも視野に入るのではないかと思われます。

ただし、25日移動平均線上を維持できずに割り込んで戻せなくなるようですと、5日移動平均線を割り込んだり、25日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になったりすることが考えられます。その場合、年末高への期待が後退するとともに、2023年前半も上値の重たい値動きなってしまうことが視野に入ってくると思われます。

上値の重たい日経平均株価ですが、今週から来週前半までの値動きに注意し、トレンドや売買判断に役立てたいところです。